『まりかセヴン』第7巻
伊藤伸平 双葉社 \598+税
(2014年10月28日発売)
地球に不時着した宇宙人・セヴンは、ひょんなことから平凡な女子高生・三條まりかと融合。2人は巨大ヒーロー「まりかセヴン」へと変身し、地球を破壊する巨大怪獣と戦いを繰り広げることになるのだった……。
と、どこかで聞いたことがあるような設定からも伝わるように、伊藤伸平『まりかセヴン』は特撮作品愛に満ちた作者が放つ、パロディたっぷりのアクションマンガだ。
怪獣が迫る緊迫の瞬間にも、日常的な脱力を忘れない展開や、悲惨な状況であっても軽いノリを貫き通すコメディチックな世界観は、往年の特撮番組が有していたおおらかな作風にも通じており、親和性は抜群となっている。
もちろん、本作の魅力はコメディ部分だけではない。まりかセヴンと怪獣が繰り広げる戦闘シーンは、実際に巨大ヒーローが活躍する特撮ドラマ作品を観ているような臨場感を醸しながら、マンガというメディア特有のケレン味ある演出で楽しませてくれるのだ。
最新巻では、まりかセヴンに続く2体目の巨大ヒーロー「シュヴァルツ=メルダー」という正体を持つ少女・斬矢シュレディンガー昴とまりかの交流をメインとしたストーリーを収録。
広がりを見せる『まりかセヴン』ワールドから、今後も目が離せない。
<文・一ノ瀬謹和>
涼しい部屋での読書を何よりも好む、もやし系ライター。マンガ以外では特撮ヒーロー関連の書籍で執筆することも。好きな怪獣戦艦はキングジョーグ。