『白馬のお嫁さん』第1巻
庄司創 講談社 \640+税
(2014年11月21日発売)
『三文未来の家庭訪問』に『勇者ヴォグ・ランバ』と、独創的な設定が光るSF作品を発表してきた注目の俊英・庄司創の最新作は、これまた奇想天外な近未来コメディ!
故郷を離れ都会で高校生活を送る清隆は、「在学中に嫁探しをせよ」と親から指令を受ける。彼が最初に出会ったのは、子供が産める男性「産む男」の3人組。いや、精神的には男なのに見た目はなぜかカワイイ女の子だからややこしいし、清隆もモヤモヤしてしょうがない。
そのルックスは、女性ながら「あ~お嫁さんが欲しい」なんて男らしいことを言っちゃう、女性ウケを狙った“遺伝子デザイン”のたまものなのだ(ああ、ますますややこしい!?)。
偶然にも、彼ら3人の高校進学の目的も、清隆と同じくお嫁さん探し。持って生まれた体の機能を将来ぞんぶんに活かすために、たくましい働き者になりそうなお嫁さんを若いうちに確保する狙いなのだった。
お互いの嫁探しを協力しようと誓いあった4人の行く先は? めちゃくちゃ笑えて、しかし随所に彼らの特殊な体や舞台設定のナゾが垣間見えて、ときどきSF的な好奇心をかき立てられる。
ところで、“産む男”のアソコはどうなってるのか?
その構造図解も傑作で、作者の創造力に感服せずにいられない!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
「ド少女文庫」