『エバーアフター』
えすとえむ 祥伝社 \650+税
(2014年11月25日発売)
「エバーアフター」(ever after)とは、日本語で「めでたしめでたし」にあたる、童話の結び言葉。
そんなタイトルを持つこの単行本に収録されているのは、「シンデレラ」や「かぐや姫」など、誰もが知っている物語だ。
けれどそれが、稀代のストーリーテラーで短編の名手・えすとえむの手にかかると――。独自の解釈によって描き上げられたBL作品として、新しく生まれ変わってしまう。
どんでん返しがぴりりと効いた、「赤ずきんちゃん」。黙って泡になりはしない、ハッピーエンドの「人魚姫」。
一編一篇の鮮やかな料理っぷりに、「こうきたか!」と、ほれぼれしてしまうこと間違いなし。
もとは電子コミックとして配信されていた作品たちで、単行本として出版されるのは今回が初めて。
ほかに雑誌掲載作で単行本未収録の「カルメン」、描き下ろしの「美女と野獣」も加えられ、合計6編。待望&お得な1冊になっています。
<文・かとうちあき>
人生をより低迷させる旅コミ誌『野宿野郎』の編集長(仮)。野宿が好きです。だらだらしながらマンガを読むのも好きです。