『性食鬼』第6巻
稲光伸二 秋田書店 \552+税
(2014年12月19日発売)
まずお伝えしておきたいのは、「これ、ホントに一般コミックでいいの?」という、限界ギリギリのエロさ。ポップに、そしてバカっぽいテイストにコーティングされていますけど、本当にとんでもない!!
それでいて、じつはストーリーもしっかりSFしていて読みごたえもある……んだけど、やっぱりエロすぎる!
……と、いつまでも中学生男子のような感想をお伝えしているわけにはいかないので、概要を書いておこう。
ヒロインの野川いずみはクラス委員で成績も優秀なザ・まじめメガネ女子。……というのは表向きの姿で、じつは授業中に保健室でひとりエッチに至るほど強い性欲が抑えられない(この時点でもうエロい)。
そんな彼女の学校に、突如として着ぐるみのような姿の侵略者・キグルミ星人(※まんまだ)が登場。彼らはたんぱく質以外のものを溶かす能力を持ち(要するに、服を溶かしてハダカにすることができる)、彼らの女王のためにエキス(※お察し)を集めている。
一方、学園には「露出狂の痴女が現れる」という噂があるのだが、その正体はキグルミ星人に故郷の星を滅ぼされたバニー星人のうさ山。
その彼女たちによって、「あまりに性欲が強いゆえに、エクスタシーに達することでキグルミ星人を消滅させられる」という特殊能力を見出されたいずみは、全裸よりもかえって恥ずかしいマイクロビキニのような特殊スーツに身を包み(ただし、ほとんど包めてない!)戦いに身を投じる──といったストーリー。
コメディタッチのライトなエロチックSFかと思いきや、それだけにあらず。いずみは両性具有の女王に種子を植え付けられ(※お察し)、その進行を抑えるための装置を挿入して(※もう本当にヒドい)生活するハメに……。と、エロとしても、侵略SFとしても、かなりハードな展開を見せるのだ。
そしてときに女王としての凶暴性が覚醒し、攻められる側から攻める側へと転じるのも見どころ。ま、結果的にはどう転んでも、エロいのですけど。
最新刊では、マイクロビキニと比較して「布の面積が20倍」という良心的(?)なスーツが登場。しかし、これが超ゆるゆるのタンクトップで、かえって羞恥度が上昇!(ちなみに表紙のバトルアーマーは、ただのイメージ画であり、本編には“ぬののふく”しか登場しません!)
さらに、数値化されるいずみのエロ指数にも注目だ。
そしてストーリーも核心に向かってちゃんと進行。ちゃんと「SF」しているので、そういった意味でもオススメというところは強調しておきたい。
……でも、実家暮らしの10代男子は、見つからない隠し場所を確保してから購入したほうがいいかもしれません。
<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。