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『紅の戦艦』第2巻 関達也 【日刊マンガガイド】

2015/01/17


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『紅の戦艦』第2巻
関達也 日本文芸社 \590+税
(2014年12月27日発売)


戦艦大和の力強さを堪能しつつ、武藤とホーガンのプロレス試合が読めるマンガだ。そうなのだ。

突如海に現れた「自称大和」。誰が乗っているのか、どこから来たのかもわからない、正体不明の戦艦。
自称大和は、どうも日本を守るために主砲を撃つらしい。たとえば大震災が起こり富士山が爆発しかけた時に、砲撃で溶岩の流れる道を作る(できるのか?)。これにより死者・行方不明者ゼロ。
2巻では、日本を狙ったスカッドミサイルの前に、自称大和の二番艦が出現。見事撃墜した。

自称大和こと「紅の戦艦」が日本を守る様子を、自衛隊員が見守る形式で描かれるこの作品。
イージス艦の艦長は、武藤・橋本・蝶野の闘魂三銃士。2巻では総理大臣がジャイアント馬場になっており、防衛大臣は天龍、官房長官は木村。昭和のプロレスを率いた名選手が続々登場する。
アメリカからは、国籍不明扱いの自称大和二番艦を潰すために、イージス艦がやってくる。その艦長はホーガン。得意技はアックスボンバー。

武藤艦長は日本を守る姿に惚れ込み、自称大和の上に乗り込んで「プロレスLOVE」のポーズ(両手を狼型にして、水平に上げる)で、アメリカのイージス艦に「JAPAN LOVE」のモールス信号を送る。
クライマックスで、アメリカの攻撃を止めるため、イージス艦ブリッジに乗り込む武藤。ホーガンにムーンサルトプレス→シャイニング・ウィザードを決めるシーンは必見。

理屈を無視した、戦艦+プロレスマンガ。
自称大和は日本を守るために動き、イージス艦の艦長レスラーたちも身を挺して立ち向かう。
「戦いの美学」的には意外とマッチしている。日本のために戦う手段が、プロレスなのか砲撃なのかの違いだけだ。

読み終わると、細かいことはどうでもよくなる、非常に気持ちいい作品だ。
戦艦やプロレスに詳しくなくても楽しめます。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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