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1月29日はベーブ・ルースらが「野球殿堂」入りした日 『4番サード』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/01/29


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小学館文庫『4番サード -青山剛昌短編集-』
青山剛昌 小学館 \676+税


1936年の1月29日は、ベーブ・ルースら5人が“野球殿堂入り”した日。
アメリカ・ニューヨーク州のクーパーズタウンには、野球の歴史・記録を総括し、資料の保存や展示を行う博物館「野球殿堂」がある。
施設開館は1939年だが、これに先んじて野球の発展に貢献した人物をたたえ、第1号の殿堂入りとなったのがベーブ・ルース、タイ・カップ、ホーナス・ワグナー、クリスティ・マシューソン、ウォルター・ジョンソンの5名である。

このなかで日本の野球ファンにもっともなじみ深いのは、714本の本塁打記録を持つベーブ・ルースだろう。1934(昭和9)年には日米野球のために来日、サービス精神あふれるパフォーマンスでも人気を博す。
当時日米の力の差は大きく、日本は全敗を喫したが、ときの日本の絶対的エース・沢村栄治がベーブ・ルースら全米のクリンナップから三者連続三振を奪ったことは伝説として語り継がれている。

さて、そこで紹介する『4番サード』は、あの『名探偵コナン』の作者・青山剛昌による、ファンタジー風味の野球マンガ。
主人公の長島茂雄は、あのスーパースターと「嶋」の一文字が違うだけの同姓同名。甲子園をめざす情熱は人一倍だが、実力は名前負けというしかない。だが、おもしろがった監督から“4番サード”を与えられ……ごていねいにもサードなのに背番号「3」をつけられる始末。

周囲の期待にこたえられないことに悩む茂雄だが、ある日ひょんなことから“野球の神様”とうたわれたベーブ・ルースが使ったバットを譲り受けることになる。それはどんな球でも打てるという魔法のバット!! ただし、打席に入る前にユニフォームのポケットにお金を入れなければ効果は発揮されないのだ。
茂雄はあやしげなバットで快打を連発。とはいえその力はタダじゃないので、夏の予選を勝ち抜きながらバイトにいそしむことに!?

ユニークな設定と青春熱血要素が不思議にマッチした、読み口爽やかなコメディ作品だ。



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
「ド少女文庫」

単行本情報

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