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『NARUTO -ナルト-』第72巻 岸本斉史 【日刊マンガガイド】

2015/02/19


NARUTO_s72

『NARUTO -ナルト-』第72巻
岸本斉史 集英社 \400+税
(2015年2月4日発売)


1999年9月、「週刊少年ジャンプ」43号にて『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(和月伸宏)が最終回を迎えた。そして入れ替わるように忍者モノの新連載がスタート。
弱冠24歳の新人・岸本斉史のペンによる『NARUTO -ナルト-』だ(97年夏に発売された「赤丸ジャンプ」の読み切り版がベース)。

主人公は落ちこぼれの忍者・うずまきナルト。
生まれながらに九尾の妖狐を体内に封印された天涯孤独の問題児が、人々に疎まれながらも前向きに修行を積み、木ノ葉隠れの里のリーダー“火影”を目指して成長していく物語である。

新人離れした作画力と従来の忍者モノにとらわれない斬新な世界観で、またたく間に「ジャンプ」読者の支持を獲得。
2年早く始まった『ONE PIECE』とともに『NARUTO-ナルト-』は、21世紀の「ジャンプ」を牽引するメガヒット作となる。その人気は日本のみならず、全世界に波及。
欧米での人気は『ドラゴンボール』や『ONE PIECE』以上と言っても過言ではない。

そんな一時代を築いた忍者マンガが、ついに完結した。
ナルトとサスケがタッグを組んでカグヤを封印し、ようやく第四次忍界大戦が終結。これにて大団円!……かと思いきや、サスケが再び反旗を翻す。
サスケは自分の正義を貫くために革命を起こそうと考えていたのだ。テロリストの言い分にしか聞こえないサスケの危険思想にナルトが立ちはだかり、終末の谷で雌雄を決することに。

長期連載の弊害で、印象が散漫になってしまったエピソードもあったが、最後の最後はシンプルにライバル同士のタイマン勝負。
ボロボロになりながら、ぜぇぜぇ言いながら、ひたすら拳を交える2人の姿に胸が熱くなる。

エピローグは新編のためのお膳立てといった風情。おなじみのキャラクターたちが年齢を重ねて登場するのが楽しい(カップリングにも納得?)。
ナルトとサスケの因縁はここで幕を閉じるが、今春には“新たに芽吹く木ノ葉の物語”がお目見えするとのこと。

まだまだナルトワールドは広がりを見せていきそうだ。



<文・奈良崎コロスケ>
68年生まれ。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。中野ブロードウェイの真横に在住する中央線サブカル糞中年。4月4日公開・松尾スズキ監督『ジヌよさらば~かむろば村へ~』の劇場用プログラムに参加します。
「ドキュメント毎日くん」

単行本情報

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