『血界戦線』第10巻
内藤泰弘 集英社 \500+税
(2015年4月3日発売)
かつてニューヨークと言われた街が、異界と人界とが交差して様々な超常現象が起こる街、「ヘルサレムズ・ロット」となった世界。
この街のいつ破れるとも知れぬ均衡を守るため、クラウス・V・ラインヘルツ率いる「秘密結社ライブラ」のメンバーは、個々の超能力を駆使して異界の住人と日夜戦っていた。
主人公のレオナルド・ウォッチは、とある事件に巻きこまれた際、妹の視力とひきかえに超常的な視覚を持つ器官「神々の義眼」を得る。ひょんなことからレオは「ライブラ」の一員として活動することになった。
最新第10巻では、みずからも「神々の義眼」を駆使して他人に見えない世界からレオナルドに接触し、彼を取りこもうと企む異界の存在「Dr.ガミモヅ」が、妹・ミシェーラの婚約者に憑依して出現。
レオナルドは仲間にも見えない敵とたったひとりで戦う覚悟をする……。
ほかの「ライブラ」メンバーと比べれば非力でヘタレボーイのレオナルドの、一世一代の決意のゆくえは読んでいただくほかない。
作者のアツいノリを愛される読者諸兄ならば必ずや満足するだろうことだけは保証できる、と断言しておこう。
現在アニメも絶好調放送中の本作品。 この巻でひとまずの完結ということだが、あくまでもファーストシーズンということで、これは続編が待たれるところだ。
<文・富士見大>
編集プロダクション・Studio E★O(スタジオ・イオ)代表。『THE NEXT GENERATION パトレイバー』劇場用パンフレット、『月刊ヒーローズ』(ヒーローズ)ほかに参加する。