『ロウきゅーぶ!』第9巻
蒼山サグ(作) たかみ裕紀(画) てぃんくる(キャラクターデザイン) KADOKAWA/アスキー・メディアワークス \570+税
(2015年4月27日発売)
高校バスケでの活動を諦めることになった主人公・昴と、ひょんなことから彼が指導することになった、バスケに燃える女子小学生たちの交流を丹念に描いた、人気ライトノベルのコミカライズ第9巻。
ここ10年ほど、ライトノベルのコミカライズにはよくできたものが多い。
本作もすさまじく完成度の高い作品で、じつを言うと筆者は、原作小説にもアニメ版にもちょっとノレなかったのだが、これだけは愛読している。
9巻ではおもに、試合と試合の間のつなぎのエピソードを収録。
ヒロイン・智花と昴の誕生日を仲間たちが祝う模様がコミカルに描かれ、その合間に、次の展開への布石が打たれていく。
というわけで、バスケの描写はひかえめだが、そのぶん、ヒロインたちのコスプレ姿をはじめとする、サービスシーンが多めに楽しめるという寸法だ。
なかでも強烈なのが、昴にヒロインたちが手作りのうどんをふるまうシーン。
全体的にはコミカルかつ清潔感のある描写なのだが、でき上がったうどんの向こうに素足の小学生女子を幻視する昴のリアクションを眺めていると、なんだか見てはいけないものを見たような気持ちに……。
このシーンを読むためだけにでも、手にとってみてほしい。
<文・後川永>
ライター。主な寄稿先に「月刊Newtype」(KADOKAWA)、「Febri」(一迅社)など。
Twitter:@atokawa_ei