『シアワセニナール』
ねむりコム 一迅社 \647+税
(2015年5月15日発売)
「なんか最近ツイてない……」ってどころじゃなく、他人につけこまれ、だまされ、ときには理不尽に殴られる男・クラベ。
だって、彼は「先天性運命疾患」なる、無自覚に不幸を招き入れる病に掛かっているから!?
そんなクラベのところに金髪碧眼で白い羽を持つ「職業天使」のソトハが降って来た。
「その不幸、治療してやる」と、さっそくくれた薬は〈シアワセニナール〉。有効成分は人を疑う心、少しの憎しみと利己的な欲望なんだそうな。
……うーん、深い。でもその薬を飲んで、絵に描いたような幸せを手に入れられるまでに回復したクラベは、特に幸せを感じない。
だって目の前の苦しそうな顔した天使が笑ってくれることが、クラベにとっての幸せだから。
ソトハと一緒にいたい、愛しいと思うから、ソトハの深い絶望やこの世界への憎悪ごと愛するよ、と笑うクラベの幸せそうな顔ったら!
なんか壮大なハッピーエンドです。
<文・小山まゆ子>
フリーランスの編集・ライター。絶賛発売中!! の『このマンガがすごい!2015』、『大人の少女マンガ手帖』にも参加させていただきました。あと2015年3月25日発売予定の『宝島AGES』2号にもチョロっと参加させていただいております。