『小学館文庫 BANANA FISH』第1巻
吉田秋生 小学館 \562+税
ニューヨーク州は1788年7月26日に合衆国の州となって以来、ファッションからエンターテイメントなど、様々な文化の発信地として発展を続けてきた。
そんなニューヨーク州の中心部であるアメリカ最大の都市・ニューヨークは、その華々しさからたくさんのフィクションの舞台となっている。
本日紹介する『BANANA FISH』も、そんなニューヨークを舞台にした名作のひとつ。
スラム街のストリートキッズたちに君臨する青年・アッシュが、兄を廃人にした薬物「バナナフィッシュ」にまつわる国家レベルの陰謀を追う過程で、彼にとって唯一にして最大の理解者である日本人・英二と魂の絆を結んでいく物語だ。
直接的描写は少ないにせよ、凄惨なエピソードが多い本作では、アッシュと英二の絆の描写とともに、リアルかつ美麗なニューヨークの情景が読者をほっこりとさせてくれる。
もはや言わずと知れた名作だが、もし未読の方がいれば、今日を機会にぜひ熟読し、ニューヨークの魅力を堪能していただきたい。
危険すぎる場所も多く登場するので、実際に行くのは自己責任で!
<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
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