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10月1日はメガネの日 『屈折リーベ』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/10/01


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

10月1日はメガネの日。本日読むべきマンガは……。


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『屈折リーベ』
西川魯介 白泉社 ¥505+税


10月1日……「1001」。
この数字の並び、形が何かに似ていないだろうか?
「1」がフレーム、「0」がレンズ……そう、メガネである。

というわけで本日は「メガネの日」。
日本眼鏡関連団体協議会が1996年に設立した記念日だ。
眼鏡屋さんがお客へ感謝を捧げつつ、メガネについて正しい知識と関心をもってもらおうという主旨。この記念日名で商標登録までされている。

さて、「メガネっ子」がジャンルとして定着して久しい。
眼鏡をかけた女子・男子を中心に置く作品は、一般もアダルトも相当あり、(各種フェチ分野のなかで比べれば)恵まれた状況といっていい。

だが、さかのぼること1996年、「月刊少年キャプテン」にあるマンガが連載されなければ現在の二次元メガネっ子界は大きく様子が違っていたかもしれない。
古株のメガネっ子ファンに躊躇なくそう言わせる、メガネっ子マンガ史上の重鎮。
それが『屈折リーベ』だ。

秋保宣利(あきう・のぶとし)は、メガネをかけた女の子が好きで好きでたまらない高1男子。

「メガネっ娘って美しいっスよ 美しくなるんスよ!
フレームによる拘束(バインディング)が造作に異化効果をもたらし
すごく綺麗に見えるんスよッ!
ああっ 柔肌と 硬質なフレームによる 至上の美!」

そんな名演説をぶつ彼が、メガネの似合いすぎる少女に恋をした。それはもう熱烈に。
少女は同じ学校の先輩、大滝篠奈(おおたき・すずな)。
大滝先輩はクールで頑固できまじめで、秋保から何度アプローチされても最初はかたくなにつっぱねていた。
しかし少年の一途さからついに恋心が芽生えだす。2人はいよいよ両想いに。
で、おしまいではない。むしろここからが本題。

大滝先輩は、秋保を好きになるほど反比例して悩みを深めていく。
秋保はかつて、自分へ告白してきた女子をフったことがあるという。なぜフったか? だってメガネかけてなかったんだもん。ええー。

自分は「たまたまメガネだっただけ」というもろい基盤の上で秋保と親密になった。
では、このメガネを外したら?
それでも彼は自分を好きだと言い続けるだろうか?

メガネフェチ永遠のテーマ。
それを非常に素朴かつストレートに打ち出しているため、今読んでもまったく古びず心に響く不朽の名作となっている。
そして、「●●という人の“ここ”が好きだ。けど、それがなかったら……?」という状況はだれにだってありうることだ。

マニアックで、同時に普遍的。
そこが「メガネの日」にあらためて本作をみなさんと広く共有したいゆえんである。

著者の西川魯介は初期から現在まで、ずっと上質なメガネっ子マンガを描き続けている。SFでもオカルトでもミリタリでもメイドさんでもメガネを忘れないメガネっ子マイスター!
近年だと黒髪ロング+メガネの合わせ技一本な『作家 蛙石鏡子の創作ノート』も見逃せない一作だ。



<文・宮本直毅>
ライター。アニメや漫画、あと成人向けゲームについて寄稿する機会が多いです。著書にアダルトゲーム30年の歴史をまとめた『エロゲー文化研究概論』(総合科学出版)。『プリキュア』はSS、フレッシュ、ドキドキを愛好。
Twitter:@miyamo_7

単行本情報

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