日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『血まみれスケバンチェーンソー』
『血まみれスケバンチェーンソー』第10巻
三家本礼 KADOKAWA ¥640+税
(2015年9月26日発売)
まさかの実写映画化決定!
しかも、チェーンソーでゾンビを肉片にしまくる超ウルトラバイオレンスヒロインを、『仮面ライダードライブ』の詩島霧子役もまだ記憶に新しい内田理央が演じるという驚きのニュースもホットな本作である。だーりおの愛称で認知度も上昇中の彼女が見せた“ふんどし姿”のインパクトも相まって、「そもそも『血まみれスケバンチェーンソー』ってどんなマンガよ?」と気になっている人も多いと思うので、あらためて作品の紹介をしておこう。
著者は『ゾンビ屋れい子』や『巨乳ドラゴン』など、どうしようもないマンガ(※褒め言葉です!)で知られる三家本礼。
一貫して、いわゆる「エログロナンセンス」路線を武装車輌で爆走し続ける、すばらしすぎる漫画家であります!
そして本作『血まみれスケバンチェーンソー』も、ド直球でそのジャンル作品。
いちおう設定上は女子中学生であるスケバンの鋸村(のこむら)ギーコと、元クラスメイトである改造ゾンビ軍団との血まみれ肉まみれの死闘、そして女子中学生だけど大丈夫なのか? などと気にしちゃ負けな感じでおっぱいをひたすら描く、本当にどうしようもないマンガ(※クドいようだけど褒め言葉です!!)である。
永遠の宿敵として登場するのは、かつて夏休みの自由研究として、級友の飼い猫を勝手に生体改造して提出したことが原因となって迫害を受けた狂気の女子中学生・碧井(あおい)ネロ。その後、級友たちを見返すためにひとり、またひとりと誘拐&人体改造を施し、ついにはクラスをほぼ掌握。
しかし、唯一思いどおりにならない鋸村ギーコを服従させようと躍起になるも、ことごとく辛酸をなめる結末に。
ところが、不屈の闘志……と言うよりは妄執で何度も復活をとげている、いろんな意味でカワイソウな悪のヒロインである。
最新刊では、その碧井ネロとの死闘がいったんは決着……というのは「何度目だよ!」の展開だったりするのだが、鋸村ギーコにとってはかけがえのない仲間たち(読者にとっては「エロ要員」とも言います)との貴重な束の間の休息が描かれる。
だが、当たり前だけどそんな時間は一瞬で終了。
とある事情によって一般市民に危害を加えることになってしまった彼女たちは、ついに刑務所に収監されるハメに。
そして、おおよそ合法とも思えない刑務所を支配するのは、言うまでもなく碧井ネロ──てなワケで、待ってましたの女囚編に突入!! やったー!
……とまぁ、今後もボンクラ街道まっしぐらということで、期待が高まらないワケがありません。
「本当にコレ、だーりおがやるの?」と若干心配になる実写映画も含めて、これからも楽しんでいきたいと思います。
<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。