日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『少女聖典ベスケ・デス・ケベス』
『少女聖典ベスケ・デス・ケベス』第1巻
ルノアール兄弟 秋田書店
(2015年10月8日発売)
中学3年の円城寺ゆいかは、男子とまともに話すことさえできないほど内気な女の子。
見た目もかわいらしくおとなしげなのだけど……人の心の奥底は、本人ですらわからない!?
ある日突然、ものすごくエッチな女子の前にしか現れないという悪魔・ケベスがゆいかの前に出現。
ケベスはゆいかが心のなかに封じこめたドスケベさが生み出した妖精で、その日からゆいかのしもべとして彼女にさまざまなラッキースケベを供するのである!! 男の股間にオートフォーカスする「股間認証メガネ」をプレゼントしてくれたり、登校中に出会った男性を全裸にしたり、はたまた露出狂の出没する完璧なルート案内を作成してくれたりと、ケベスは至れりつくせり。
いや、ゆいか自身はこうした大サービスをガンとして拒絶するのだが……。
「別冊少年チャンピオン」で第1話を読んだときから、筆者は単行本刊行を心待ちにしておりました(笑)。
進行するにつれ、話は壮大な方向に。北条政子のケベスであった源頼朝を現代に復活させようという黒幕の存在があきらかになり、ゆいかを含む「ケベスホルダー」たる女子たちは異様なバトルに巻きこまれていく……!!
著者の想像力が暴発するスピード感にシビれっぱなし。
このように気持ちよくフザけまくった作品を読むときこそ、マンガってホントにすばらしいと心から思うのである。
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」