365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
12月11日は国際山岳デー。本日読むべきマンガは……。
『ヤマノススメ』第1巻
しろ アース・スター エンターテイメント ¥595+税
2003年の国連総会で、今日12月11日は「国際山岳デー」として制定された。
国際社会全体で、山岳地域の環境保全と、持続可能な開発について考える日と定義されている。
まずは「山」について考えてみたい。が、筆者も含め、普段の生活ではあまり縁のない人も多いだろう。
山を身近に感じられる機会といえば、やはり登山が筆頭だ。
とはいえ、登山なんてわからないことだらけだし、準備も大変そうだし……そう思う方にぜひおすすめなのがこの『ヤマノススメ』。
登山をテーマにした、女子高校生たちのゆるふわ日常マンガだ。
人とのコミュニケーションが苦手な主人公・雪村あおいは、高校に入学したばかり。
そこで、幼なじみの倉上ひなたと久しぶりに再会することになった。
あおいはひなたに、さっそく登山に行こうと切りだす。
幼い日2人は、山頂から見た朝日に感動した。それを2人だけでもう一度と約束していたのだ。
しかしあおいは小学校の時のトラウマで高所恐怖症になってしまっているうえに、すっかりインドア派。登山なんてありえない。
そんなあおいを、ひなたはぐいぐいと引っ張っていき――。
うちに閉じこもっていたあおいだが、オープンなひなたの影響で、少しずつ少しずつ前向きになっていく。
登山に興味を持つようになるにつれ、人とふれあう機会も増え、新たな友だちもできていく。
あおいが心を開いていく姿はとてもぎこちなく、しかしだからこそ微笑ましく、いとおしい。
世のなかはそんなに怖いところじゃないとわかり、また登山は自分にとって魅力的なものだと除々に理解し始めるあおい。
ゆっくり、だがしっかりと歩きだす彼女を応援したくなる、あったかいマンガなのだ。
アニメにもなり、現在も連載が続いている人気作だが、第1巻では登山初心者にもうってつけの高尾山の情報もあり(パワースポットも満載!)、実際の登山にも役立つ内容だ。
またマンガの舞台は埼玉県飯能市で、飯能市のサイトには『ヤマノススメ』の情報コーナーも設けられている。
地元の方ならずとも、マンガに登場する場所に行ってみるのも楽しいのではないか。
女子高生たちの会話に癒されながら、登山の知識も身につく本作。
今日の記念日に、ぜひご一読ください。
<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」