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12月16日は戦艦大和が就役した日 『戦艦大和と零戦 -日本海軍 激闘の記録』を読もう! 【きょうのマンガ】

2015/12/16


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

12月16日は戦艦大和が就役した日。本日読むべきマンガは……。


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『このマンガがすごい!Comics 戦艦大和と零戦 -日本海軍 激闘の記録』
かわぐちかいじ、三島衛里子、松田大秀、滝沢聖峰、薮口黒子、
もりやてつみ、小林たけし(著) 宝島社 ¥590円+税


「太平洋戦争」開戦直後の1941(昭和16)年12月16日、大日本帝国海軍の大和型戦艦一番艦「大和」が就役した。
日本海軍史上最大の戦艦は翌年2月に連合艦隊旗艦に任じられ、1945(昭和20)年4月7日にアメリカ軍機動部隊の猛攻を受け坊ノ岬沖で撃沈された。

巨艦ながら徹底的に秘匿され開戦直後に完成、終戦の年に大きな戦果をあげられぬまま沈没するという悲劇性もあいまって、「大和」の名は今でも格別の響きをもって日本人の精神を揺さぶる。
46センチ砲三連装三基という世界最強の戦艦でありながらも、時代の趨勢に追いやられるようなかたちで死地へと向かう大和に、“滅びの美学”を尊ぶ我々は、言いようもない気高さを感じてしまうのだ。

そんな最強戦艦・大和の、もはや逆転不可能な戦況にそれでも一矢報いんとする戦いの日々を実力派漫画家たちが描くアンソロジーマンガが、今回ご紹介する『このマンガがすごい!Comics 戦艦大和と零戦 -日本海軍 激闘の記録』である。

トップバッターは、当サイトロングレビューでもご紹介した、空母勤務の零戦搭乗員(蒼龍)たちの日常をユーモアとペーソスたっぷりに描く三島衛里子『ヨーソロー!! -宜しく候-』がなんと一挙3話収録。
つづいて超ベテラン・かわぐちかいじの初期作品『極楽谷の不死鳥(フェニックス)』では若い零戦搭乗員が向かった特攻の現実の悲劇を描き、さらに松田大秀、滝沢聖峰、薮口黒子、もりやてつみ、小林たけしと超豪華な執筆陣が思い思いに戦場の熱いドラマを描ききる。

すべて読み切りで、読後の付録として大和・零戦の解説に加えて元零戦搭乗員・原田要氏や元海軍軍楽兵・種村二良氏といった、現在話を聞くことすら難しくなっている当事者へのスペシャルインタビューが読めるのも、たいへん貴重だ。

この年末に戦後70年を総括する本書を読んで、あの時代、戦いに向かった若者たちの想いに触れてみてはいかがだろうか。



<文・富士見大>
編集・ライター。『THE NEXT GENERATION パトレイバー』劇場用パンフレット、『月刊ヒーローズ』(ヒーローズ)ほかに参加する。「『仮面ライダードライブ』フォトブック~Drivin’Album」『別冊宝島2394 仮面ライダー』もやってます。

単行本情報

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