『汝は人狼なりや? -true or lie-』第1巻
プリ山ペニ夫(作)筧(画) 新潮社 \605
(2014年6月9日発売)
ヨーロッパで古くから親しまれてきたテーブルカードゲーム「人狼」。
2000年代に世界中に広まり、日本でもネットゲームやスマホアプリ、さらにはイベントからテレビ番組にまで発展。人狼ブームは、ついにコミカライズ作品まで生み出した。
本作は、原作者であるプリ山ペニ夫が私設サイト「汝は人狼なりや?」に掲載し、300万アクセスを超える支持を得た人気webマンガがもととなっている。
オリジナル作品のファンからの、より洗練されたストーリーへの期待値も高いようだ。
小学校での学級裁判にトラウマをもつ主人公・七図武志は、気がついたら「人狼」のステージに。
密室のなか、手元にあるのは「共有者」のカードと、ルールブック、参加者名簿だけ。名簿には幼なじみであるメイの名前もあった。
やがて判明する恐ろしい事実は、ゲーム上で死は現実に繋がるということ。だが、命を懸ける狂気的な状況は、むしろ武士を高揚させていった……。
「人狼」のルールもマナーも知らないゲーム初心者の武士は、この先、いかにして生き残っていくのか!?
個性豊かな参加者17人の駆け引きが最大の見所だ。
まだまだ序の口、この先長~く続きそうな、昼夜交代の生き残りゲームの展開はドキワクもの。
読み終えたら、アナタも参加したくなるかもしれない。この巧妙過ぎる、嘘つきたちの世界に……。
<文・藤咲茂(東京03製作)>
美酒佳肴、マンガ、ガンダム、日本国と陸海空自衛隊をこよなく愛し、なんとなくそれらをメシのタネにふらふらと生きる編集ライター。