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1月31日は愛妻の日 『中国嫁日記』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/01/31


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

1月31日は愛妻の日。本日読むべきマンガは……。


ChugokuYOMEnikki_s01

『中国嫁日記』第1巻
井上純一 KADOKAWA ¥950+税


2004年から始動した日本愛妻家協会が1月の1を英語の“I”に見立て、31日を「サイ」と読ませて定めた、「愛妻の日」。

まだ知名度は低めだが、食材ショップや花屋などにて、奥様のために料理を作ったり花束をプレゼントしたりなどのイベントを広めよう、との動きもある。
この日本愛妻家協会の名誉会長は、日本神話に登場する英雄・日本武尊(ヤマトタケル)である。妻の弟橘姫(オトタチバナヒメ)の死を知り、人目もはばからず嘆き叫んだことを由来とするとのこと。
古代の人物ゆえに何人もの妻がいたとされるが、そこはスルーで……。

というわけでこの日、妻への愛を叫ぶマンガを取りあげよう。

コミックエッセイで結婚生活ネタは数多い。以前は圧倒的に女性作家が多かったが、ジャンルの隆盛に従い男性作家も増えてきた。
そのなかでも、ブログ発でひときわ話題をさらったのが『中国嫁日記』。

同人や模型の世界では知る人ぞ知る存在だった井上純一が、中国人女性「月(ゆえ)」さんとお見合い結婚、その生活を描いた4コマだ。
「国際結婚」「オタクと一般人カップル」などの要素も含まれ、月さんのたどたどしい日本語や、日本の慣習や文化に対する勘違い、2人の価値観のズレは笑えるが、それ以上に「愛」や「のろけ」があふれている。
月さんはひと回り以上年下、かつ、童顔で小柄巨乳! とまあ、オタクの夢を具現化した嫁といえるので、いたしかたないのかもしれないが、ここまで愛妻宣言されると、いっそすがすがしい。

とはいえ月さんは、ただかわいいだけでなく、働き者で非常に明るく、愛情表現もストレートだ。(あくまで妄想だが、「愛妻の日」を知ったら「じゃあこの日以外は愛してナイの?」と言いそう。)

男性不妊や、お金のトラブル発生など、結婚生活は決して平坦な道ではない。
そのたびに描かれる月さんの、いまどき架空のキャラでも希少な、心からの献身やとことん前向きな言動の数々は、結婚を「損得」で考える風潮のなかで生きる現代日本の夫婦たちに、大切なことを呼び覚ましてくれる。

妻に愛を叫ぶのも難しいが、愛を叫ばれるような妻になるのも簡単ではない。
しかし、イベント好きな日本人らしく、まずはこの日をきっかけに一歩踏み出してみてはいかが?



<文・和智永 妙>
「このマンガがすごい!」本誌やほかWeb記事などを手がけるライター、たまに編集ですが、しばらくは地方創生にかかわる家族に従い、伊豆修善寺での男児育てに時間を割いております。

単行本情報

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