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『陸奥圓明流外伝 修羅の刻』第16巻 川原正敏 【日刊マンガガイド】

2016/02/18


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『陸奥圓明流外伝 修羅の刻』


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『陸奥圓明流外伝 修羅の刻』第16巻
川原正敏 講談社 ¥500+税
(2016年1月15日発売)


大ヒット格闘コミック『修羅の門』の外伝で、不敗神話を誇る伝説の古武術・陸奥圓明流を継ぐ「陸奥」の一族と実在する歴史上の人物との関わりを通じて壮大な歴史ロマンを描き、本編と同じく根強い人気を誇るシリーズの最新巻が、およそ10年ぶりに刊行された。

今回のシリーズで舞台となるのは「昭和」。
『修羅の門』と地続きにつながる時代だ。これまでと異なり、歴史を動かした有名人は登場しない。そのかわりに登場するのは不破現(ふわ・うつつ)、ケンシン・マエダ、そして「陸奥」静流……『修羅の門』の主人公・陸奥九十九と深い関わりを持つ、3人の若き男女である。

うらぶれた時代の片隅で、やくざ者同士のささいないさかいをきっかけとして出会った現とケンシン。
陸奥圓明流との対戦を望み、ブラジルからはるばる日本へと渡ってきたのだというケンシンを、現は陸奥一族の住まう土地へと案内する。
しかし、彼らの前に姿を現した一族の者……静流は、風変わりなうら若き乙女であった。

かくして3人は、静流の父である当代の「陸奥」の帰還を待ちながら、人里離れた山奥で共同生活を始める。そしてめばえる、互いへのほのかな思い……。

「地上最強」という見果てぬ夢にその身を捧げた若者たちにも、等身大の青春模様があった。
どこか懐かしく、せつない「昭和」の空気を、シリーズのファンはもちろん、そうでない方にもぜひ味わってほしい。



<文・後川永>
ライター。主な寄稿先に「月刊Newtype」(KADOKAWA)、「Febri」(一迅社)など。
Twitter:@atokawa_ei

単行本情報

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