『姫さま狸の恋算用』第2巻
水瀬マユ 双葉社 \648
(2014年6月27日発売)
大好きな幼なじみがいる17歳の少年、陸。ところがある日、そんな陸のもとに許嫁のミヨちゃんが現れ……と、ここまでならわかる。
問題はそのミヨがたぬきだということ。いやいやいや狸はないでしょ。途中から人間に化けてくれるけど、たぬきはたぬき。
ふつーに考えるなら、どう考えても幼なじみの百香一択。でも、ミヨを思いっきり拒絶してはいる陸も、2巻になると情がわいてくる。
ミヨに対して「おまえはホントに俺のことを好きなのか」「それとも許嫁だからなのか」「おまえ自身はそれでいいのか」と確認する、陸の誠実さもちょっといい。
ありえない三角関係を、一発ネタではなく丁寧に描いていくこの作品。読者としてもミヨに情が湧いてくるから困る。
なんといっても、人間化していない狸状態のミヨが、すげーかわいいのだ。
やめてください、変な性癖目覚めちゃう。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」