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3月27日は利休忌 『茶の涙 ~Larmes de the~』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/03/27


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

3月27日は利休忌。本日読むべきマンガは……。


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『茶の涙 ~Larmes de the~』第1巻
※本来の表記では、タイトルの「e」はアキュートアクセント付
水面かえる マッグガーデン ¥533+税


3月27日は利休忌。千家流茶道の開祖・千利休の忌日だ。

何百年も前から日本にも伝統的な茶の道が存在するが、現在の日本において日常的にそれに触れる機会は多くない。
また、カフェに行けばコーヒーや紅茶がメニューに並ぶが抹茶や緑茶などがメニューに並んでいるのは、どちらかといえば珍しいほうではないだろうか。

もとより日本で長く愛され続けてきた日本茶の魅力を改めて教えてくれる本格日本茶マンガがある。
それが『茶の涙』だ。

日本茶の輸入を突然禁止したフランス政府との交渉に同行した農水省新米女性職員・ハルカは、日本茶を求めパリをさまよう青年・内藤涙(ないとう・るい)と出会う。
彼女は涙を通して、日本茶の奥深さと広さ、知られざる魅力を発見していく。

氷出し玉露は本当はとても甘い飲みものであること、海外における意外な緑茶の愛され方、じつは簡単にできる焙じ茶など、丹念に調べあげてからマンガにしていることは1話を読むだけで間違いなく伝わる。
さらには、茶農家、茶の製造工程、流通経路、品種についても学べる、非常に実用的な内容。真摯にお茶という存在に向き合った、貴重なマンガだろう。

急速に普及し、今やなくてはならない存在となったペットボトル飲料のお茶。こちらはふだんからよく飲んでいる人も多いはず。
「わざわざめんどうくさい手順を踏んで日本茶をいれる必要があるの?」と思う人にこそうってつけの作品だ。

今日はお茶をいれて、ほっとひと息つきながらマンガを読もう。



<文・川俣綾加>
フリーライター、福岡出身。
デザイン・マンガ・アニメ関連の紙媒体・ウェブや、「マンガナイト」などで活動中。
著書に『ビジュアルとキャッチで魅せるPOPの見本帳』、写真集『小雪の怒ってなどいない!!』(岡田モフリシャス名義)。
ブログ「自分です。」

単行本情報

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