日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『甘々と稲妻』
『甘々と稲妻』第6巻
雨隠ギド 講談社 ¥590+税
(2016年3月7日発売)
半年前に妻を亡くした高校教師である犬塚公平と、5歳になる娘つむぎとの生活に、公平の教え子の飯田小鳥が加わり、ごはんを中心とした奇妙な関係を描くホームドラマ。
料理をほとんどしたことがなかった公平に、料理研究家を母に持つが包丁を持つことができずに知識はあるものの料理ができない小鳥とが、お互いをフォローしあいながら、料理をつくっていく。
父と娘(幼女)の2人暮らしというのは、人気の高いシチュエーションで、『よつばと!』などがおなじみ。父親と娘の関係性ではないが、『ばらかもん』もこのカテゴリーに近い。
さらに、『甘々と稲妻』は、料理マンガとしての側面もある。ただ、料理を扱ったシーンがあるだけでなく、レシピも公開されており、『クッキングパパ』や『きのう何食べた?』のように実際に作品に登場した料理がつくれてしまうのも魅力のひとつだ。
人気マンガカテゴリーの2大要素が入っているとなると、おもしろくないわけがない。
その中核を担うのは、やはり娘のつむぎ。母親を亡くした悲しみとそれでもお父さんと一所懸命に生きる姿と、料理をこれでもかというくらいおいしそうに食べる姿は、それだけでもういやされること間違なし。
第6巻では、修学旅行に同行する公平とつむぎが離れ離れになったり、拾ったネコとの別れが悲しかったり、いっしょにキャンプした友だちが違う小学校にいくことになったり、いろいろつらいことや悲しいことが訪れる。それでもつむぎはおいしいごはんを食べて乗り越えるのだ。
今年7月にはアニメ化も決定しており、よりいっそうの甘々旋風が吹き荒れそう。
<文・岡安学>
デジタルモノなどのガジェット系を中心に雑誌やWebで活動するフリーライター。元ゲーム誌編集者で、ゲームやアニメ、マンガなどのメディアも守備範囲。ソフトとハードのどちらもこなす。現在、生活総合情報サイト「オールアバウト」にてデジカメのガイドも務める。