日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『坊っちゃん』
『坊っちゃん』
夏目漱石(作) 大和田秀樹(画) 日本文芸社
(2016年3月28日発売)
「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。」の書き出しでおなじみ、日本人ならだれもが知っているあの名作文学『坊っちゃん』を、『ムダヅモ無き改革』、『機動戦士ガンダムさん』の大和田秀樹がコミカライズ!!
大胆に脚色を加えているのは表紙を見ていただけば一目瞭然。
だいたい主人公の坊っちゃんは女子に変換されてるし(オテンバゆえに女なのに「坊っちゃん」というあだ名がつけられたのです)……あらら、背後にはシャアにしか見えない人物が!?(カンのいい方はこの服装を見ただけで『坊っちゃん』のどの役を割りあてられているかおわかりでしょう)
自由自在に大和田ギャグがバンバン盛りこまれているのだけど、意外にもちゃんと原作のストーリーにのっとって進行してるからすごい!?
坊っちゃん=女子設定も意外に違和感がないし……原作を読んでなくても本作を読んでおけば、ほぼOKといえるレベルです。あ、もちろん“ほぼ”だけど(笑)。
あらためてこの原作、なかなかに少年マンガなんだなぁと実感した次第!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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