日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『団地ともお』
『団地ともお』第27巻
小田扉 小学館 ¥552+税
(2016年4月4日発売)
たとえば、土曜の昼。いつもの中華料理屋で餃子をほおばりながら読む『団地ともお』は最高だ。
団地で暮す10歳の少年・ともおが家族や友人、ご近所さんと繰り広げるシュールワールドは、ばかばかしくも奥深い。
日常と距離がないようでいて、ちゃんと「マンガの世界」に引きこんでくれるだけのストーリーの厚みとリズム感が、連載開始13年を経てなお新規読者を獲得し続ける『団地ともお』の魅力。
読めば、ちょっとした休憩時間の満足度が上がることうけあい。
第27巻はおなじみの団地メンバーに加え、カレー屋店主、死神、野鳥ファン……も登場するあいかわらずのカオスっぷり。
主人公・ともおの10歳児っぷりにも、やっぱり笑わせられる。ともおが「一体どんなだろう… 背脂ラーメン…」と悩む話では、小4男子の思考力の最高峰を見た!
マジでばかばかしい! けど「愛すべきバカ野郎」だから、憎めないんだなぁ。
読み終えたら、気分よく日常に戻れる。マンガってこうだよな! と改めて思わせてくれる一冊だ。
<文・片山幸子>
編集者。福岡県生まれ。マンガは、読むのも、記事を書くのも、とっても楽しいです。