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『昼のセント酒』 久住昌之(案) 魚乃目三太(画)ほか 【日刊マンガガイド】

2016/05/12


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『昼のセント酒』


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『昼のセント酒』
久住昌之(案) テレビ東京/共同テレビジョン(作)
魚乃目三太(画) 幻冬舎 ¥1,000+税
(2016年4月7日発売)


銭湯大好きのサラリーマン・内海孝之。営業部では万年最下位の成績ながら、外回りの途中で銭湯を見つけると入らずにいられない。
今日も仕事の途中で気になる銭湯を発見。ダメよダメよと言いながらも、気がつけばのれんをくぐって昼風呂を満喫。そのまま湯上がりの一杯を決めこむ、背徳の愉楽よ……。

そんな設定を書き出しただけでも、風呂好き&ビール好きなら身悶えせずにいられない! 現在放映中のドラマ『昼のセント酒』のコミック版がこちら。

もともとドラマの成り立ち自体、久住昌之の同名エッセイを原案に、テレビ東京の久住原作の大ヒットドラマ『孤独のグルメ』の制作チームがイチから脚本を起こしたもので、つまりはドラマのほうがオリジナル。
すでにドラマを見ている人なら
「申し訳ないっ!!」
「馬鹿か。馬鹿でよい。否、馬鹿でよかった!」
といった内海の決めセリフを戸次重幸の声で脳内再生してしまうわけで。ちょっとした「音声付きマンガ」の趣きも楽しめるのだ。

画を手がけるのは、『戦争めし』『しあわせゴハン』で大きな注目を集めた漫画家、魚乃目三太。
ハートフルで昭和なタッチの画風がダメダメサラリーマンの「小さな幸せ」ワールドに見事ハマっている。

ドラマ未放映ぶんのエピソードも収録されているので、ドラマのネタバレになっちゃうのが難点といえば難点か?
なんにしても、読めばカラダが生ビールを渇望すること間違いなし。

蛇の生殺しにならないように、セント酒に繰り出せるタイミングで読むことをオススメします!



<文・井口啓子>
ライター。月刊「ミーツリージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて「おんな漫遊記」連載中。「音楽マンガガイドブック」(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン「上村一夫 愛の世界」編集発行。
Twitter:@superpop69

単行本情報

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