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『ツインドルの箱庭』 第1巻 稚野まちこ 【日刊マンガガイド】

2016/07/05


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『ツインドルの箱庭』


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『ツインドルの箱庭』 第1巻
稚野まちこ 集英社 ¥1.300+税
(2016年6月17日発売)


『ツインドルの箱庭』は、これが単行本デビューとなる新鋭イラストレーター・稚野まちこによる、かわいらしくも死の香り漂うファンタジー。ウェブサイト「となりのヤングジャンプ」で異彩を放っている作品だ。

いつまでも一緒にいたいと願うほど、仲のよい魔法使いの双子の姉・ジゼルと弟・ジルーベル。
2人が得意なのは、ものを縫いあわせ命を吹きこむ魔法。
ジルは腕のいいぬいぐるみ職人になり、ジゼルは看護師になった。

そんなある日、大規模な花火爆発事故が起こり、ジゼルは遺体の縫合にやりがいを見出す。
だが、共鳴するジルのぬいぐるみも死臭を放ち始めた……。

表紙を開くと、双子の魔法をめぐるダークメルヘンな世界がフルカラーで広がる。
血肉の代わりにぬいぐるみに詰められた花、白い肌にアクセサリーのように走る痛々しい縫い目……。フルカラーながら、けばけばしさはなく、モノトーンにちりばめられた血を模した真っ赤な花びらにハッとさせられる。

美しい工芸品のような物質感。連載がウェブサイトだからこそ、紙の本になる意味を感じさせる作品だ。



<文・卯月鮎>
書評家・ゲームコラムニスト。週刊誌や専門誌で書評、ゲーム紹介記事を手掛ける。現在は「S-Fマガジン」(早川書房)でファンタジー時評、「かつくら」でライトノベル時評を連載中。
The Differencee Engine

単行本情報

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