日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『不倫食堂』
『不倫食堂』 第1巻
山口譲司 集英社 ¥600+税
(2016年7月19日発売)
日本全国を飛びまわる営業マン。彼の出張先でのお楽しみが、その地の名物、名産品を食すこと。
毎度毎度リサーチをし、名物や名産品を狙い定めていくのだが、なぜかすんなり食べられない。
紆余曲折あって、結局、食べることはできるものの、そこに存在するのは、女性の影。名物を出す店の女将だったり、取引先の担当者だったり、偶然再会した同級生だったり、ひょんなことから食事をともにする地元の女性だったりと、様々だ。
彼女らが店を紹介してくれていたり、料理をふるまってくれたりし、さながらグルメマンガのように薀蓄を述べながら、さもおいしいそうに食べる姿を見せてくれる。
ただ、そこで終わらないのが、不倫食堂。
なぜか、そうなぜか、そのままその女性たちと情事におよんでしまう。
しかも、その時食べた名産品になぞらえた「行為」を楽しんでしまうわけだ。
ストーリー的にはワンパターンの繰り返しなのだが、読んでいてそのワンパターンがくせになってくる。山口譲司の描く女性もエロくてよい感じだ。
人間の3大欲求の2つ、食欲と性欲をうまく融合させた作品だといえる。
<文・岡安学>
デジタルモノなどのガジェット系を中心に雑誌やWebで活動するフリーライター。元ゲーム誌編集者で、ゲームやアニメ、マンガなどのメディアも守備範囲。ソフトとハードのどちらもこなす。現在、生活総合情報サイト「オールアバウト」にてデジカメのガイドも務める。