365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
9月28日はロケット・ファルコン1が初めて打ち上げに成功した日。本日読むべきマンガは……。
『進め! なつのロケット団』第1巻
あさりよしとお 白泉社 ¥720+税
2008年の本日9月28日は、民間企業による宇宙開発をリードする米・スペースX社のファルコン1が初の打ち上げに成功した日である。
本機を大型化したファルコン9は、超低コストな宇宙ロケットとして、多くの人工衛星などを宇宙に送りだしてきた。先日、9月1日には、第39号機となる機体が爆発事故を起こしてしまったが、スペースX社にはぜひともこの失敗を乗りこえて、宇宙への夢を追いかけ続けてほしいと思う。
さて、そんな民間宇宙開発だが、じつは日本にも、国に頼らず、自分たちの力だけでロケットを開発しようとする集団がいる。その名も「なつのロケット団」。
どこかで聞いたことがあるという人も多いだろう。あさりよしとお『なつのロケット』といえば、小学生の男の子たちが小型ロケットを開発して人工衛星を打ち上げてしまうと言う宇宙開発マンガの金字塔だ。
本作のなかで、「ちゃんと宇宙まで飛ぶ」よう厳密な考証にもとづいて設定されていたロケットを、リアルに作ってしまおうと集まったのが「なつのロケット団」なのである(もちろんメンバーにはあさりよしとおも含まれるが、ほかにも、「想定の範囲内」で有名なあの人なんかもいる)。
で、『進め! なつのロケット団』はそんな彼らの宇宙開発の日々を追った「ほぼ実話」のノンフィクションコミックだ。
きょうはぜひ、日本からも民間企業発のロケットが宇宙に到達する日が来る未来を想像しながら本書を読んでいただきたい。
<文・前島賢>
82年生、SF、ライトノベルを中心に活動するライター。朝日新聞にて書評欄「エンタメ for around 20」を担当中。
Twitter:@maezimas