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10月9日は「トラックの日」 『クマトラ』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/10/09


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

10月9日はトラックの日。本日読むべきマンガは……。


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『クマトラ』 第1巻
六田登 日本文芸社 ¥552+税


10月9日は「トラックの日」。これは全日本トラック協会が「トラック運送業について、より多くの人に知ってもらいたい」という願いをこめて制定した記念日で、由来はもちろん「10」と「9」を「トラック」と語呂合わせしたもの。

とまぁ、本来の意義としては運送業としてのトラックの役割にスポットを当てる記念日ではあるのだが、かつて1970年代には映画『トラック野郎』シリーズが大ブームとなったり、海外でも『コンボイ』をはじめとする、ほぼトラックが主役ともいえる映画作品がいくつも存在することなどからわかるとおり、洋の東西を問わずトラックそのものに惹かれる人は少なくない。
そんなトラックの魅力……いや、もはや魔力とでもいうべきものを六田登が描ききったマンガが『クマトラ』だ。

この『クマトラ』、サブタイトルに「クレイジートラックストーリー」と付けられているのは伊達じゃない。本作に登場するトラックは、いわゆるコンボイタイプのモンスタートラックだが、単にデカいというだけではない。
なんと「乗るものを狂気に誘い、そして破壊する」といういわくつき。そんな悪魔のようなトラックにふさわしく、「モビィ・ディック」と呼ばれているシロモノである。

主人公のクマトラ五郎の父は、かつてその伝説のトラックの運転にチャレンジ。
しかし乗りこなすことができず、少年の頃のクマトラの目前で力尽きてしまう。その父の仇討ちを果たすべく、大人となったクマトラはモビィ・ディックを追う──というのが大まかなストーリー。
伝説のトラックを巡り、武器まで持ち出してのカーチェイスバトルを繰り広げる、“男のロマン”がぎっちりとつまった作品だ。

とにもかくにも、まず注目してほしいのは第1話の冒頭。
1ページ目からいきなりモンスタートラック登場! そして続いて見開きでトラックがドーン!……と、のっけからとにかく恐ろしいほどにカッコいいトラックの魅力が爆発しまくっている。
そしてモビィ・ディックを追って日本へと渡ったクマトラが出会うのは、小さな運送会社に務めるプン太……と、『トラック野郎』へのリスペクトも忘れていないのもすばらしすぎ。

最初から最後までひたすらトラックづくしの本作で、ぜひ皆さんにも巨大なトラックの魅力に目覚めていただきたいしだいである。



<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。

単行本情報

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