365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
10月31日は、ハロウィン。本日読むべきマンガは……。
『ティム・バートン ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』
明日賀じゅん 講談社 ¥819+税
10月31日は、ハロウィン。
カボチャをくりぬいて作るジャック・オ・ランタンや、仮装パーティを行うなどでおなじみのこの日は、現在では年に一度のお祭りとして、すっかり日本にも定着している。
そんなハロウィンの飾りつけや仮装によく用いられるのが、ティム・バートンが原案・原作を努めた映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のキャラクターたちだ。
怪物たちの住むハロウィン・タウンを舞台に、人を驚かせる天才、骸骨のジャック・スケリントンに代表される魅力的なキャラクターたちの姿がコミカルに描かれる本作は、そのファンタジックな世界観が好評を博し、現在まで愛され続けている。
そんな本作だが、じつは2004年にマンガ版が単行本化されているのだ。
基本的なストーリーはオリジナルとほぼ同じだが、少女マンガを中心に活躍している著者の明日賀じゅんの作風もあって、ダークな描写が息を潜めた温かい雰囲気を持った作品へと変身を遂げているのが印象的。
ジャックたちハロウィン・タウンの住人もかわいさを強調され、原作よりも見ていてほのぼのさを感じるキャラクターとなっている。
マンガになったことで、映画版の魅力のひとつであるミュージカル要素が廃されているのはやや残念なものの、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の持つ陽の部分を堪能したい人は、一度読んでみてはいかがだろうか。
<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
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