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12月3日はアガサ・クリスティ(イギリス、作家)が謎の失踪をした日 『ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/12/03


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

12月3日はアガサ・クリスティ失踪事件が起きた日。本日読むべきマンガは……。


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『ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖』 第1巻
アガサ・クリスティ(作) 星野泰視(画) 小学館 ¥600+税


世界を代表する推理小説作家、アガサ・クリスティの人生には大きな謎がのこされている。
1926年の12月3日は、クリスティが失踪を遂げた日だ。乗り捨てられた車が発見され、翌日には世間はこの大ニュースで持ちきりに……『アクロイド殺し』が話題となっている矢先の出来事である。

結局11日後に彼女は無事発見されたが、本人はその間の記憶を失っていたと発表しているのだが……!?
のちに書かれた自伝でも当人がこの件にいっさい触れていないことも手伝ってか、この事件の真相に迫った本や映画は数多い。
2016年現在ハリウッドで、アガサ・クリスティの伝記映画が2本同時に制作中とも報道されている。

さて、ここで紹介するのはクリスティの代表作のひとつである『ABC殺人事件』を和風にアレンジした作品である。

舞台は二・二六事件に揺れる昭和11年(原作の『ABC殺人事件』が発表された年)の東京。
クリスティの生んだ名探偵エルキュール・ポアロを、日本人の英玖保嘉門(えいくぼ・かもん)としているが、きどったチョビ髭の小男という設定やストーリーは原作のとおり。
原作ではAで始まるアンドーヴァーで、アリス・アッシャーというイニシャルがAの老女が殺され、次にはベクスヒルでイニシャルBの男が殺される……のように連続殺人が起こるところ、「浅草で芦屋 安さん」が殺害されるわけで、原作好きは思わずニヤリ。
原作を読んだことのある人ならではの楽しみもあるのだが、この不朽の名作をイチから読める人も正直うらやましい。

それにしても昭和初期のレトロな雰囲気と英国古典ミステリのムードがばっちりハマっていること。
クリスティファンのひとりとして、さらなるクリスティ作品のマンガ化も熱望する!



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」

単行本情報

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