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3月7日はモーリス・ラヴェル(フランス、作曲家)の誕生日 『亡き少女の為のパヴァーヌ』を読もう! 【きょうのマンガ】

2017/03/07


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

3月7日はモーリス・ラヴェルの誕生日。本日読むべきマンガは……。


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『亡き少女の為のパヴァーヌ』 第1巻
こげどんぼ* マッグガーデン ¥571+税


3月7日は作曲家モーリス・ラヴェルの誕生日。
1875年、フランス生まれ。ジャズや民族音楽、無調なども取り入れてつくった美しいメロディを、きらびやかなオーケストレーションで仕上げて私たちの耳を楽しませてくれる名音楽家。

もっとも著名な「ボレロ」は、バレエだけでなくフィギュアでもよく使われる人気曲だ。
また作曲だけでなくアレンジャーとしても天才でもあり、特に「展覧会の絵」の編曲はとても高い評価を受けている。

さて、ラヴェルには「ボレロ」以外にも人気曲が多く、特に「亡き王女のためのパヴァーヌ」は小曲ながらとても愛されている傑作といえるだろう。
もともとはピアノ曲だが、ラヴェル本人の手でオーケストレーションされた管弦楽版のほうが皆さんにはなじみがあるかもしれない。

今日ご紹介する『亡き少女の為のパヴァーヌ』のタイトルはもちろん、このラヴェルの曲から取られている。

本書には、キーパーソンである相模竹之丸という少年が登場する。
耳にしたばかりの『亡き王女のためのパヴァーヌ』を、即興でヴァイオリンにアレンジして弾いてしまうほどの神童だが、じつは彼には人にいえない秘密が――。

明治の終わり、帝都・東京。
金沢からやってきた加賀奈々緒は、東京見物の際に聞いた美しいヴァイオリンの調べに惹かれ、マリアンヌ音楽院に入学。
そしてついに、その音色の主である相模竹之丸に再会する。

美しい容姿と音楽の才、2つながらに恵まれた竹之丸。 奈々緒の想いは募るばかりだが、それゆえに思わぬ運命に巻きこまれてしまうのだった……。

愛らしい絵柄と相反するかのようなダークなストーリーだが、本作ではそこが独特の空気感を生んでいて、読む者を引きつけてやまない。
漂う大正ロマンの雰囲気を味わいつつ、せつない展開をぜひ噛みしめてほしい。

作中にはパガニーニのコンチェルトやバッハの『主よ、人の望みの喜びよ』など、いくつもの名曲が取り入れられ、またそれがきっちりエピソードとして活きているのもいい。
加えて、しっかりと専門家の監修を受けたヴァイオリン演奏場面も必見!
特に竹之丸の演奏姿は非常に美しく、クラシック好き、弦楽器好き以外の人もぜひ注目してほしいところ。

そして、今日はできるならばBGMに『亡き王女のためのパヴァーヌ』をかけつつ、ゆっくりと本作を味わっていただければと思う。



<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」

単行本情報

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