「マンガは、自分のなかに溜まっている巨大なエネルギーをぶつける先。」
――インスタグラムに自分のことをネタとしたマンガを描き始めたのはなぜ?
ざく そもそもネタはあったわけで(笑)。一時期は描くことをやめていたんですが、再婚してから幸せなのになぜか心にポッカリ穴が開いたような虚しさがあって。そうかと思えば我慢できないくらい、何か刺激的なことがしたいという衝動がわく日もあって。「あぁこの巨大なエネルギーをどこかにぶつけるべきだな」と思っていました。空虚も一種のエネルギーだと思うんです。そしてコミックエッセイを描きはじめました。
――今回、コミックを描いていて1番楽しかったところは?
ざく あとがきの13ページです。もともとインスタで描いていたときから、“初体験編”も“糞眼鏡編”も描いた途端に興味なくなってたんですよ。まったく読み返さない。自分のなかの糞をひりだす感じで、ひりだしたらトイレに流してスッキリ!みたいな。でも後書きは何回も読み返しちゃう。たぶん今の夫が出てるから安心して見られるからだと思います。
――いまの旦那さんがざくろさんにとって大きな存在なんですね。逆に今まで1番苦しかった恋愛(パートナー)は?
ざく 今回描いた“糞眼鏡結婚編”ですね。あの時の辛い生活を思い出さなきゃいけないので、胸糞悪くなってくるからさっさと描き終わろうと思ってました。でも、眼鏡(※初婚相手の中国人)のことはめっちゃ嫌いになりましたけど、恨んでません。彼もまた私と同じで自己肯定感が低く、他人に自分の価値を作れと求める男だったんだと今ならわかるから。
――恋愛と障害のこと、そしてご自身の半生が詰まった初の書籍、できあがってみてどうですか?
ざく 愛が溢れた本だと自分で思ってます。自分への愛、そして読んでくださる方への愛。この本をひとりで作ったとは思ってないです。みんなに応援してもらってやっとできた。愛がないとね、隠れアンスール83体なんて絶対描かなかったですね。
――今後どういった作品を描いていきたいですか?
ざく コミックエッセイなら今の生活のことや私が持っていた心の問題のこと。創作ならホラーサスペンス。企画物なら、学習障害の子どものための勉強法とか描きたいですね。
-ありがとうございました!
取材・構成:幸野紘子