人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。
今回お話をうかがったのは、阿部共実先生!
青春、友情、自分、他人、未来、過去、希望、後悔……さまざまなテーマをコメディともホラーともつかぬ独特のテイストで描く阿部共実作品。
読者の心を容赦なくえぐる阿部ワールドは、どのように産み出されているのか? これまでの作品を振り返りながら、創作の裏側をうかがったインタビュー後編スタートです!
インタビュー前編はコチラ!
阿部共実マンガの魅力は ショート作品で際立つキャラクター
――ストーリー作りはどんな手順で進めるのでしょうか?
阿部 手順とか方法論とか決まったものはあまりないですが、ショートはだいたいワンアイデアなので、思いついた展開やシーンやキャラなどをとにかくメモします。そのまま使えるものは使い、ストックと組み合わせたりで。
――『ちーちゃんはちょっと足りない』の場合は?
阿部 『ちーちゃん』もそんなに長い話ではないので、あまり変わりはないですが。大まかな1巻の構成を決めて、1話1話をストーリーに沿いつつも、ショートと同じように構成していくって感じでしょうか。季刊誌で余裕もあったので、ゆったり考えてました。あんまりなにも考えずに好き勝手作ってます。最終的にはとにかく読んでおもしろくなればいいなと。
――マンガを描くために、何かしていることはありますか?
阿部 とにかく思いついたことをルーズリーフにメモするくらいですね。あとで見ると「電器屋の店員の商品説明が専門用語多すぎてわからない」とか、「みんな自分のクセをバカにして笑うけどクセなんてひとそれぞれ」とか……ひと言日記みたいになってたりしてうんざりしますが。
――しかし、これだけたくさんのショート作品を続々と生み出しているというのはすごいですよね。よくネタが尽きないなあと。笑えるという面では『ブラックギャラクシー』が一番でしょうか。
阿部 『ブラックギャラクシー6』は、『空が灰色だから』連載中に「別冊チャンピオン」で連載し始めたのですが、何を考えて始めたか覚えていませんね。すみません。
――6人ともそれぞれにキャラが立っていますが、やはりどうにかして「青春」したくていろいろと痛いギドラちゃんが最高にかわいいです!
阿部 ありがとうございます。たぶん当初の設定よりかなり変わってしまった気がするんですが、おそらく一番描きやすいキャラのひとりかもしれません。まぁ、もう描くことはないんですが。
――ぜひまた読みたいです! ギドラちゃんみたいに、仲間とキャッキャするような青春を無理にでもやってみたい気持ちは多くの人にあるんじゃないでしょうか。
阿部 わからないですけど、「リア充」なんて言葉が生まれて定着してるくらいですから、みんなそうなんでしょうか? 自分にはいつも「みんな」がまぶしく見えます。