「物語として楽しめるもの」をめざして
――今後の展開をお聞きします。けっこう先の展開まで、もう決まっているのですか?
おざわ 毎話毎話は、そんなには決めていないです。
担当 戦時中の話ですから、どうしても大きな出来事はあります。どこを終わりとするかは、おざわ先生と編集部で決めていて、そこに向けて走っている状況です。軸があるので、あとはどうエンターテインメントとしておざわ先生が膨らませていくか、ですね。
おざわ 3巻に入ると、どんどん戦争が主人公の身近なものになっていきます。逃げられないような、戦争のリアルな恐怖がひたひたと近寄ってくるようなのが、今後の展開です。私たちは昭和20年(1945)に何が起きるか知っていますが、主人公や作中の登場人物たちは、そのことを知りません。そのような状況で、彼女たちがどういう気持ちで、何を考えているのか、それをできるだけ写し取って描くように心がけています。やはり、近くで空襲があった、戦争が起こったとしても、「近くて怖いな」「巻き込まれたらイヤだな」という感覚はあっても、実際にその場に遭ってしまうのとはワケが違います。ですから、実際に遭遇してしまった時を、いちばんすごい描写にしたいと思っています。
――今年は戦後70年という節目です。なにかと取りあげられる機会も増えるかと思います。
おざわ やはり戦争モノというと、どうしても「重苦しいもの」「堅苦しいもの」として捉えられがちです。マンガ喫茶とかにある「このマンガがすごい!」のコーナーに行っても、私の作品だけなかったりするんですよ(笑)
――いや、我々読者はハラハラドキドキしながら楽しんでますけどね(笑)
おざわ そうですね、できるだけ物語として楽しめるものをめざしていきます。
――ありがとうございました。今後とも楽しみにしています!