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[1/2]将良『思春期ビターチェンジ』インタビュー いつかもとに戻れるの? 定番「男女入れ替わり」を6年という「長期戦」で描く、ほろニガ青春ストーリー
『思春期ビターチェンジ』は、ユウタとユイの成長記録
――ユウタとユイ、2人の男女の小学生から高校生という心も体も劇的に変化してゆく6年間を、「入れ替わり」という視点から細やかに描いた『思春期ビターチェンジ』は、ある種の成長物語でもありますよね。
将良 そうなんですよね。自分のなかでテーマを決めたくはないんですけど、しいていえば、これは2人の成長記録で、なにを学ぶとかいうわけでもなく、最後にこうなったことには意味があったんだなって思ってもらえたらいいなって。
――普通だと少しずつ大人になっていくところを、ユウタとユイは入れ替わることで、むりやり大人にされちゃったようなところもあって、イヤでも客観的に「自分」が見えるから、欠点にも気付けるのかと思います。ユイも昔の自分に似た女の子をどうにかしてあげたいと考えたり。
将良 サッカーできないとか、かわいい洋服を着られないとか、単純なことも含めて苦いですよね。でも、苦しんでるほうが作品的に楽しいと思うんです。読み手としては、登場人物がうまくいって幸せになるより、試行錯誤しながら試練を乗り越えていってるのを見るほうが楽しいって。
――たしかに、それはそうですね。ユウタもすごくまわりを見て人の気持ちに気付ける男の子になってる。それはいいことではあるけど、中学生なんてもっと身勝手でまわりが見えてなくっていいじゃんって、なんか切なくもなります。