スッキリ&サクッとWEBマンガならではの工夫
――前作の『放課後ヒーロー』は、掲載媒体が「月刊Gファンタジー」(スクウェア・エニックス)[注1]という雑誌でしたよね。
ウダ はい。
――今回の『田中くんはいつもけだるげ』は、「ガンガンONLINE」[注2]というWEBサイトでの連載になりました。その点で、特に意識していたことはありますか?
ウダ スマートフォンなどで空いた時間にサクッと読めるほうがいいな、と思ったんです。なので、前作よりも単純な作りにして、画面をスッキリさせようと心がけました。
――『田中くん』は基本的には4コママンガですが、通常の4コママンガとは異なり、1コマの幅を左右いっぱいまでとってありますよね。それもWEBでの連載を意識してのことですか?
ウダ そうですね、今言った「画面をスッキリさせたかった」につながることなんですけど、コマのなかで絵がゴチャゴチャするのを避けたかったんです。それと、大きい絵を見せる場面も欲しかったんですね。
――なるほど。
ウダ なので、勝手にコマを大きくしてみました。
――そこはウダ先生のアイデアなんですね。
ウダ はい……すごく描きやすいです。
――作画はデジタルですか? それともアナログで?
ウダ 1巻の途中までは完全アナログでした。そこから徐々にデジタルをとり入れていって、今ではペン入れと一部のベタまでをアナログで行い、仕上げはデジタルでやっています。
――作画はすべておひとりでやっているんですか?
ウダ 最近は仕上げの段階でアシスタントさんに入ってもらっています。
――ネタとかアイデアにつまった時は、なにをされてますか?
ウダ 自宅が職場なので、料理したり掃除したり、家事をすることが多いです。
大好きだったマンガと最新刊の4巻について
――ウダ先生はどんなマンガを読んでこられましたか?
ウダ マンガは大好きでよく読んできたんですけど、なかでも小花美穂先生の『こどものおもちゃ』を読んだ時は、「世の中にこんなおもしろいマンガがあったなんて!!」と衝撃を受けました。小学生の頃、がんばっておこづかいを貯めてコミックスを集めた記憶があります。
――それはかなりお好きだったんですね。
ウダ それと同じくらい好きなのが、衛藤ヒロユキ先生の『魔法陣グルグル』でした。
――今、続編の『魔法陣グルグル2』が連載中ですね。
ウダ そうなんですよ、同じ「ガンガンONLINE」でやっているんですよ。今、同じ場所でマンガを描けているのが、本当に夢のようです。
――さて『田中くんはいつもけだるげ』は、4巻が発売されました。
ウダ 最新の4巻では、これまでになく田中くんが動いているかもしれません。ですので、アクティブにけだるげな一面を楽しんでいただければ幸いです!
――ちなみにコミックスでは、カバー下にも毎回しかけがありますよね。これも楽しみにしてます。
ウダ ありがとうございます。
――こういったしかけはどうしてやるようになったんですか?
ウダ じつは連載前に、練習でマンガっぽく描いてみたカットがあったんです。1巻でそれを使って、あのようなかけあいが生まれました。4巻のカバー下は、特にくだらないと思うので、ぜひご覧ください。
――では最後に読者に向かってメッセージをお願いします。
ウダ ゆるゆるな作品ではありますが、読んだ方の、日々の息抜きになってくれたらいいなと思っています。これからも応援よろしくお願いします。
- 注1 「月刊Gファンタジー」(スクウェア・エニックス) 1993年3月18日に創刊されたスクウェア・エニックスが発行するファンタジーマンガ雑誌。主な連載作品に『黒執事』『デュラララ!!』など。
- 注2 「ガンガンONLINE」 スクウェア・エニックスが2008年10月2日に解説したWEBコッミック無料配信サイト。毎週木曜日に更新される。
取材・構成:加山竜司