ついに公開! 映画『スイートプールサイド』
――映画『スイートプールサイド』がいよいよ6月14日から公開されます。もう試写はご覧になりました?
押見 けっこう前に見ましたよ。映画公開にあわせて、今度『スイートプールサイド』の番外編を描くんです。
――それは「別マガ」に掲載されるんですか?
押見 そうです[注7]。もう1回「毛剃り」を。真っ正面から「毛剃り」を描いてみようかな、と思いまして。
――『スイートプールサイド』は10年前にお描きになった作品です。今ご自身で読み返してみて、どうですか?
押見 いやぁ、ヘッタクソだなぁ(笑)。あと「一生懸命描いててエライぞ」と思いますね(笑)。
――結構、客観的にご自身の作品を読み返せるんですね?
押見 あんまり読み返さないタイプなんですけどね。『スイートプールサイド』は全然読み返せますよ、心を乱さずに。『漂流ネットカフェ』はキツいですね。恥ずかしくなります。
――どのへんが違うのでしょうか?
押見 あれは生々しかったです。奥さんに非常に負担をかける内容でした。
――ご自身の中学時代の体験をもとにしているとのお話ですが。
押見 あれはわりと普通の、淡い恋として描いたんです。自分の中学時代の恋愛……、実際には恋愛とは言い切れない程度のものでしたが、そのときのトラウマ[注6]が絡まったりする。ちょっと恋愛側面が強い作品というか、「初恋の人が今でも好きだ」と延々と描いているようなものでしたから。奥さんには悪いことしたなぁと、その罪悪感で読めなくなりそう。
――ただ、少女マンガには、そういった内容は多いじゃないですか。
押見 あ、そうですよね。女性シンガーソングライターの歌とかも、そうですよね。別れた男の歌とか。
――ユーミンなんか、それを旦那がプロデュースしてるわけですよ。
押見 それはつらいですね(笑)。
――映画をPRしてもらおうと思ったのですが、なんだか脱線してしまいましたね。
押見 『スイートプールサイド』、おもしろかったですよ(笑)。
- [注6] 中学時代に少し付き合った彼女がいたが母親に別れさせられた、との内容のインタビュー 記事が「週プレNEWS」( 集英社)のサイトに掲載されている。
- [注7] 「別冊少年マガジン」7月号(6月9日発売)に収録。