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【インタビュー】誰かのこと、もっと知りたいから、マンガを描きつづけてる――。 『さきくさの咲く頃』ふみふみこ【後編】

2014/07/31


人間への興味がストーリーの源に

——ストーリーや設定はどのように思いつきますか? 日々ストックがあるのでしょうか。それとも、編集サイドからの提案をきっかけに考えるのでしょうか。

ふみ 両方ですね。たとえば『めめんと森』については、前からうっすらと葬儀屋の話を描いてみたいなと思っていましたし。『さきくさの咲く頃』のように、担当さんのイメージをもとに立ち上げた作品もありますし。でも、どんな作品でも描き始めは苦労します。「いける」と思ったはずなのに、描き始めると全然進まなかったり。

葬儀屋を舞台に繰り広げられる「生」と「死」の間で繰り広げられる純愛物語。「殺すぞ」と言われて心ときめく人には超オススメ。

葬儀屋を舞台に繰り広げられる「生」と「死」の間で繰り広げられる純愛物語。「殺すぞ」と言われて心ときめく人には超オススメ。


—— 一番すらっと描けた作品はどれですか?

ふみ 『ぼくらのへんたい』ですね。こういうテーマは得意というか、大学時代、性同一性障害に関心があって、そのころいろいろな文献を読んだ知識が今活かされていると思います。

女装癖のある3人の男子中学生が主人公。思春期の特有の繊細さ、傷つきやすさが胸に刺さる一作。

女装癖のある3人の男子中学生が主人公。思春期の特有の繊細さ、傷つきやすさが胸に刺さる一作。


——『ぼくらのへんたい』では、話が進むにつれどんどんキャラクターの内側が読者に開示されていきますが、最初から設定をかなり作りこんでいるのでしょうか。

ふみ それほどでもないです。パロウさんの過去に関する設定などは考えてありましたが、描きながら、その人を見つけていくという感じかもしれません。

単行本情報

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