日常系マンガでは特に「そのキャラクターらしさ」が大切
──初連載、初単行本で「このマンガがすごい!2016」オンナ編6位を獲得するわけですが……。
日当 びっくりしました。「ええんか、申し訳ない」とも思ったり。連載が決まったときも「絵がへたくそでキツい、こんなのが毎回載るのはヤバいのではないか」と思ってましたから。
──第1巻が出たとき、話題になっている手応えを感じていたのでは?
担当 作品を気に入ってくださった書店さんが店頭でプッシュしてくださって……。「このマンガがすごい!」にランキングされるマンガ家さんはすごい方ばかりですから、デビュー作にしてこのラインナップに並んで票を集めたのはうれしく、本当にありがたいことです!
──そうでしたか。先生は最近、マンガは読みますか?
日当 よく読みます。アマゾンでのクリックが止まりません(笑)。今いちばん楽しみにしてるのは『ゴールデンカムイ』(集英社・野田サトル)です。
──今、猫ブームといわれていて、猫マンガもかなりたくさんありますが、日当先生の好きな猫マンガは?
日当 最近だと 真造圭伍先生の短編集『休日ジャンクション』(小学館)のなかの「家猫ぶんちゃんの一年」がすごく好きです! 雑誌で読んで、泣きすぎて……。猫飼いの友人にすすめまくりました。「猫飼ってる人は絶対読んだほうがいい」って。悲しい話ですけど、先生の描かれる猫がすばらしい。絵のタッチが大好きなのはもちろんですが、猫に対する視線のすごさに圧倒されます。ほかには『動物のお医者さん』(白泉社・佐々木倫子)に出てくる猫、『伊藤潤二の猫日記 よん&むー』(講談社・伊藤潤二)なども大好きです!
──リアル寄りなタッチがお好きなんですね。
日当 絵柄のタッチもなんですが、その生き物が持つ魅力をちゃんと描いているような作品にはとても惹かれますし、素敵だなって思います。
──マンガを描くうえでこだわりのようなものはありますか?
日当 登場人物のちょっとしたやりとりや反応のしかたなどを丁寧に描きたいと思っています。目の前にコップが1個あったら、この子はどんなふうに手に取るだろう。両手で持つだろうか、片手で持つだろうかと……日常系のマンガでは、特にそういう描写が大事だと思っています。
──なりきるというより、キャラクターを外から見ながら描く感じでしょうか。
日当 名前と顔くらいは知ってる他人だけど、観察するのを許されてるから観察してます、みたいな立ち位置ですね。
──キャラが勝手に動いたりする?
日当 そうですね。逆の言い方になりますが、「ここに行かせたいけど、行かないだろうなぁ」なんてことはよくあります。たとえば、担当さんと打ち合わせをしていて「もっとラブラブな感じに」というオーダーをもらうこともあるんですが、実際そういうシチュエーションにもっていこうとしても、この2人は結局そうならないだろうな、と。私がそうしたくない訳ではなくて。なので担当さんには「この2人はこういうふうではないんですよ」とお話して納得してもらっています(笑)。
──でも、これはこれで十分イチャイチャしてるように感じますよ! 2人で手をつないでいるだけですごく幸せなムードになっていたり……。
日当 そう伝わっていればひと安心です!
──では最後に、最新第3巻の見どころについてお願いします。
日当 この2人、仲よしすぎてちょっと様相がおかしくなってきた気もします。猫氏が今までよりはしゃいでるかも? でも、基本的には第3巻もあいかわらずの2人です。あいかわらずのところを楽しんでいただければうれしいです!
──ありがとうございました。
猫氏と多恵の2人が織り成すほんわか度は、変わらないどころか増すばかりの『オデット ODETTE』。
さらにラブラブな2人と猫氏のはしゃぎっぷりが楽しみな最新単行本第3巻は、12月14日発売予定!
前回のインタビュー第1弾もチェックして、ほんわか癒やしカップルによる、
ゆったり「おデート」の最新刊をより楽しんじゃいましょう!
取材・構成:粟生こずえ