第7位(54ポイント)
『クズの本懐』 横槍メンゴ
『クズの本懐』
横槍メンゴ スクウェア・エニックス
だれもが認める高校2年生カップルの安楽岡花火(やすらおか・はなび)と粟屋麦(あわや・むぎ)。
じつは2人は、花火は幼い頃から兄と慕う鐘井鳴海(かない・なるみ)を、麦は中学時代の家庭教師・皆川茜(みながわ・あかね)を好きで、お互いにほかに好きな人がいることを了解しながら、お互いに好きにならないことを前提につきあっていた……。
今年1月からテレビアニメとテレビドラマが同時に放送開始した人気マンガが完結。
恋愛のじれったさ、とどまらない欲望、羨望……その先に望むもの……。麦と花火の2人をはじめ、まわりの人々のまっすぐに歪んだ想いに毎話ドキドキしながらも、とくに麦の恋する茜先生の本性には「こんなの相手にしたくない……!」と思うほど、ゾクゾクが止まりませんでした。交錯し複雑に絡みあったクズたちの本懐――それぞれが選んだ答えに、注目です。
オススメボイス!
■いいかたちで決着をつけてくれた。完全にハッピーエンド、と言えないかもしれないけど、早苗が笑ってくれたらもう幸せかも?(和智永妙/ライターたまに編集)
■『クズの本懐』は、最終話の表現がじつにいい。魅せられました(境真良/国際大学GLOCOM客員研究員・経済産業省国際戦略情報分析官(情報産業))
■心に空いたピースを共有し、それを知りつつ、ときにぶつかり、すれ違い、考え、前に進んでいった彼らの青春群像劇もとりあえずひと段落。誇り高きクズたちに乾杯! でも、やっぱり花火はかわいい!(稀見理都/エロマンガ史研究家)
第7位(54ポイント)
『ディザインズ』 五十嵐大介
『ディザインズ』
五十嵐大介 講談社
遺伝子操作によって“つくられた”ヒトと動物とのハイブリッド「HA(ヒューマナイズド・アニマル)」。
驚異的な身体能力を持ち、自然界を超越した異形の生物たちが送りこまれたのは戦争地域。
本能のままに殺りくを繰り返すHAはいったいなんのために生み出されたのか――!?
独特のタッチでオリジナリティあふれる世界観を描き、第1巻が2016年4月の「このマンガがすごい!WEB」ランキング・オトコ編第3位にランクインした、五十嵐大介の最新巻。先に紹介した短編集『ウムヴェルト』と同時ランクインとなりました。
衝撃的な第1話から徐々に明かされていく、自然界を超越した異形の生物「HA」の秘密や彼らを創りだした人々たちの思惑、そして壮大な陰謀……。第2巻でも、圧倒的な画力と世界観で、読者の心を奪います!
オススメボイス!
■古代の神々のような人獣たちが躍動する姿は恐ろしくも優美。物語の背景も少しずつ見えはじめてきた。(卯月鮎/書評家・ゲームコラムニスト)
■遺伝子操作により人化され軍事利用される動物たち(ヒューマナイズド・アニマル)をめぐる壮大な陰謀と策略を描くSF譚。美しい雨蛙の少女、豹体の姉妹、狂気のひらめく天才学者オクダなど魅力的な登場人物を軸に、生命の美しさと世界の残酷さを圧倒的な筆致で描き、あっという間に物語に飲まれてしまう。傑作の誕生に立ちあっている予感がする(ぶち猫/ブログ「ぶち猫おかわり」管理人)
■人類はどこから来てどこに行こうとしているのか、考えこんでしまった(早川博志/「恭文堂」コミッククラフト店)
第9位(50ポイント)
『BLUE GIANT SUPREME』 石塚真一
『BLUE GIANT SUPREME』
石塚真一 小学館
仙台市に住む高校生の宮本大(みやもと・だい)は、スケットボール部に所属していたがあるときジャズに魅せられ独学でテナーサックスの練習をはじめる。
高校卒業後、プロを目ざして上京した宮本大は、単身ヨーロッパに渡るものの、ドイツ・ミュンヘンで言葉も通じず頼る者すらいない……。そんな逆境のもと、彼はテナーサックスひとつを相棒に、異国の地で挑戦を始める!
「世界一のジャズプレーヤー」を目標に、まっすぐに音楽に励む高校生の姿を描いた前作『BLUE GIANT』の続編が登場! 世界へ進出した大に待ち受ける言葉や文化の壁に、読んでるこっちも思わずハラハラしてしまいますが、「オレはどこまでも行ける気がする」と、ドイツの河原でサックスを吹き鳴らす大の姿に、胸が熱くなります!
オススメボイス!
■仙台の河原とジャズの組みあわせは新鮮だったが、今度はドイツとジャズの組み合わせ! 舞台は変わっても、ページからサックスの音色が聞こえてくるかのような力強さは変わらず(卯月鮎/書評家・ゲームコラムニスト)
■新シリーズに突入!! 『BLUE GIANT』を読むのが初めての方も大丈夫!! ぜひぜひどうぞ!!(旭屋書店なんばCITY店 平田/「旭屋書店」コミック担当)
■ここ10年で最高の音楽マンガ。新章もとても楽しみ(小田真琴/女子マンガ研究家)
■第一章最終巻の衝撃がまだ尾を引いておりますが……。大、ついに世界へ。知人もいない、言葉も通じない海外での孤独感が痛いくらい伝わってくる。この先も期待(冬蜂/風俗情報サイト「フーゾクDX」制作部)
第10位(48ポイント)
『ファイアパンチ』 藤本タツキ
『ファイアパンチ』
藤本タツキ 集英社
肉体を損なっても再生する能力を持つ“祝福者”の少年・アグニ。ある日、ベヘムドルグ王国の軍人に、たったひとりの肉親だった妹・ルナを殺されてしまう。自身も「消えない炎」で焼かれるが、再生を繰りかえし生き続け、ついに復讐を果たしに仇・ドマのもとへ向かうが……!?
第1話からまさに“パンチ効きすぎ”なインパクトで話題となり、『このマンガがすごい!2017』でもオトコ編3位に輝いた超カルト作の最新巻。
謎の女・トガタの登場で一気に加速していく物語ですが、最新第4巻では、さらにとんでもない方向に!? 新キャラクターも続々登場し、読者の想像もつかない展開の連続で、もはや病みつき!?
オススメボイス!
■とかくピーキーな要素がとりざたされるこの作品だが、主たる語り口はあくまでオーソドックスな会話劇だ。……と思っていたら急にはしごを外されてしまって途方に暮れる。会話のキャッチボールがホームランした気分だ(raven/ディレッタント)
■アグニの不死の正体と、それをつかさどる祝福者の壮大すぎる計画……にも驚かされたが、その目的が「スターウォーズの続きが観たい」というのはやられた(大黒秀一/エンタメ系ライター)
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