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【騒然】新婚・佐々木希が巨大ゴリラにさらわれる!?【B級ニュース】

2017/04/18


複雑化する現代。
この情報化社会では、日々さまざまなニュースが飛び交っています。だけど、ニュースを見聞きするだけでは、いまいちピンとこなかったりすることも……。
そんなときはマンガを読もう! マンガを読めば、世相が見えてくる!? マンガから時代を読み解くカギを見つけ出そう! それが本企画、週刊「このマンガ」B級ニュースです。

今回は、「佐々木希、キングコングにさらわれた!?」について。


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『かくしごと』
佐々木希(著) 川島小鳥(写真) 講談社 ¥1,700+税
(2016年9月23日発売)

先週、女優でタレントの佐々木希さんが、お笑いコンビ“アンジャッシュ”の渡部建さんとの結婚を発表した。
いつか佐々木希にみぞおちを蹴りあげられたいと願っていた全国の蹴られたいボーイたちが絶望に打ちひしがれた訳ですが、みなさんお元気ですか?

佐々木さんは女性ファッション雑誌でモデルを務めていたこともあって、男女問わず幅広い層から支持されており、現在公開中の映画『キングコング:髑髏島の巨神』ではヒロイン役の日本語吹き替えを担当。まさに公私ともに充実した日々を送っているに違いない。

なにしろ『キングコング』といえば美女がつきもの。
オリジナルの『キング・コング』(1933年)ではフェイ・レイ、『キングコング』(1976年)ではジェシカ・ラング、『キング・コング』(2005年)ではナオミ・ワッツと、そうそうたる美女たちがコング・ヒロインを演じてきた。
生け贄にされそうになったり、はたまたコングと心を通わせたりと、作品によって役どころは大きく異なるが、ともあれ『キングコング』シリーズには時代を代表するような美女がヒロインとして出てくるものだ。
秋田美人と誉れ高い佐々木さんが『キングコング:髑髏島の巨神』でヒロインの吹き替えをやるのも、歴史的な必然といえるだろう。

この“大猿と美女”の組み合わせに、われわれ人類は得もいわれぬロマンをかきたてられるようだ。『ドラゴンボール』にしても、大猿に変身した孫悟空と逃げ惑うブルマの構図にドキドキした読者も多いことだろう。
この『ドラゴンボール』の例を出すまでもなく、マンガも『キングコング』に大きな影響を受けてきた。『ワンピース』のルフィだって、ドフラミンゴとの戦いで“ゴムゴムの大猿王銃(キングコングガン)」という大技を披露している(79巻)。
そして〝神様〟手塚治虫も1947年にはオリジナルの映画版を下敷きにした『キングコング』(1947年)という作品を描いているほどだ(単行本未収録)。
といったわけで今回は、「キングコング(巨大猿)とヒロインの関係」をマンガで見ていきたい。


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『キックの鬼』 第1巻
梶原一騎(原作) 中城けんたろう(画) 高森敦子(監修) 道出版 ¥1,200+税
(2001年12月発売)

まずは『キックの鬼』(原作:梶原一騎、作画:中城けんたろう)。
1969〜1971年に「少年画報」で連載された、実在のキックボクサー・沢村忠の半生を描いたフィクションである。

キックボクシングの東洋チャンピオンとなった沢村は、さまざまな難敵をしりぞけてタイトル防衛を重ねていく。
タイ式ボクシング界の支配者ラジャマハー氏は、「打倒サームラ」をあいことばに、次々と刺客を送りこむのだが、彼が沢村対策として招聘したのが〝東南アジアのプロレス王〟ことプロレスラーのキングコングであった。
キングコングは投げ技やココパットといったプロレス技をタイ式ボクサーたちに伝授し、沢村を苦しめることになる。
作中、沢村の師にして興行師である野口氏には姪がおり、彼女が本作のヒロイン。後楽園ホールで沢村とともに観戦したときにはツインテールをしており、なかなかの美少女だ。沢村の身を案じる彼女は、コングを恐れて逃げ惑う、古典的なヒロイン像である。
ちなみに沢村が空手家からキックボクサーに転身する際の山ごもりシーンでは、片方の眉毛を剃り落とし、人恋しさを断ちきる場面が描かれる。
『空手バカ一代』(1971〜1977年)では大山倍達が清澄山にこもった際の逸話として登場するが、『キックの鬼』ではその原型を見ることができる。


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『LaLaDX 3月号』(「原始人彼氏」連載中)
白泉社 ¥690+税
(2017年2月10日発売)

次に紹介したいのは、現在「LaLaDX」(白泉社)にて連載中の北福佳苗『原始人彼氏』。
250万年前の地球にタイムスリップしたヒロインが、アウストラロピテクス・ガルヒと恋に落ちるという斬新すぎる設定に、早くも話題沸騰中である。
もともと少女マンガには、タイムスリップして異なる時代の男性とガール・ミーツ・ボーイするジャンルが伝統的に存在するのだが(『王家の紋章』『天は赤い河のほとり』『バビロンまで何マイル?』『神話になった午後』など)、250万年前とはおそれいった!
世間的には草食系男子があふれているが、ガルヒ猿人は死骸の骨をむさぼり食うほど野性味あふれたワイルド男子。ガルヒ猿人にお姫様抱っこされて岩壁をよじのぼっていくシーンは、まさに胸キュン!
猿人と恋をする点では、ピーター・ジャクソン版の『キング・コング』(2005年)のヒロイン像に近いかもしれない。
今もっとも続きが気になる恋愛マンガだ。


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『水木しげる 超1000ページ』 上巻
水木しげる(著) INFASパブリケーションズ ¥1,619+税
(2009年9月12日発売)

そして真打ちは『キンドコング』(水木しげる)。
テレビ番組「欽ちゃん ドンといこう」に出演中の萩本欽一は、ハガキから立ち上ってくる煙を吸い込むと巨大化し、キンドコングになってしまう。
全裸でビルにこしかけたキンドコングが「俺今いちばんほしいのはパンツだよ」とつぶやくシーンには哀愁が漂っていて、見る者の涙を誘う。
そして、公害によって巨大化したモグラ(モグラコング)が出現すると、総理大臣はキンドコングにモグラコングの退治を要請することに。その大使として任命されたのは、萩本欽一とお笑いコンビ“コント55号」を組んでいたパートナーの阪上二郎(作中では“坂”ではなく“阪”)だった。モグラコングは欽ちゃんの自宅の上で昼寝をしており、二郎さんは「最愛の家族の上にモグラが屁でもしたらどうなると思うの?」とキンドコングを説得し、かくしてキンドコングとモグラコングは首都・東京を舞台に大怪獣ファイトを演じることになる。
本作のヒロインは欽ちゃんの奥さん(作中には描かれない)。コングの奥さん、という役回りは前代未聞である。
なお、この『キンドコング』は、『水木しげる 超1000ページ 上』(株式会社INFASパブリケーションズ)に収録されている。キンドコングの勇姿をその目で確認しよう!


いかがだっただろうか。
このようにマンガ界はキングコングをリスペクトしているのである。
ここまで見て来ると、佐々木希さんのお相手の渡部さんが所属するお笑いコンビが“キングコング”のように錯覚してしまうが、“アンジャッシュ”なのでお間違えのないように。
佐々木さん、渡部さん、ご結婚おめでとうございます!



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでの漫画家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

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