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『このマンガがすごい!comics おかあさん(10さい)と僕。』(根雪れい)ロングレビュー! 人気WEBマンガ、待望の単行本化‼︎ このかわいい女の子(10歳)が……ぼくのお母さん!? 幼くなっても超ポジティブなお母さんと暮らしたら!

2017/04/26


母親は外見年齢こそ変わったものの、中身はもとの35歳のまま変わらない。そして、もともと在宅ワーカー(専業の翻訳者だ)なこともあってか、生活スタイルもほぼそのまま。特に社会的なトラブルは起こらない。お金の心配もなさそう。困ったことといえば、体が小さくなったぶん、ちょっと買いものや家事がたいへんになったくらいか。

スキンシップがちょい過剰なおかあさん。春はそれを受け流しつつ、複雑な気持ちもちょっとありつつ……。

スキンシップがちょい過剰なおかあさん。春はそれを受け流しつつ、複雑な気持ちもちょっとありつつ……。


とはいえやはり、どちらも社会的、肉体的には頼りない子どもであることには変わりない。幼い2人の母子家庭。そんな関係性に漂う、どこかあやうい感じ。ほのぼのインモラル。あくまで楽しい日常系なのだけれども、きわどい空気もちょいちょい挟まる。その「あやうさ」の感覚こそが、この作品の魅力の根幹にあるのではないかと思う。

……いや、まあ、そうはいっても、ホントにほんわかとした日常系作品なんですけどね。春に接するお母さんの優しい姿には、胸が思わず暖かくなる。

春の従姉妹の夏未ちゃん。どうですかこのむっちり具合! 作者のフェチズムがいちばん炸裂しているキャラでは。

春の従姉妹の夏未ちゃん。どうですかこのむっちり具合! 作者のフェチズムがいちばん炸裂しているキャラでは。


だがしかし、母親をときどき、愛らしい同年代の「女の子」として意識してしまう春。そうとは知らずに、無邪気に振る舞う母親。そこに春の従姉妹のお姉さん(むっちむちのダラしない体型をした女子高生!)である夏未や、春のクラスメイトでツンデレ委員長の日高杏も加わって、不思議なバランスをつくり出す日常。そこで展開される物語がどこへ落着するのか。母と息子のともに過ごす子ども時代は、まだ始まったばかり。今後の展開にも期待したい。

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okasantoboku_s

<文・後川永>
ライター。主な寄稿先に「月刊Newtype」(KADOKAWA)、「Febri」(一迅社)など。
Twitter:@atokawa_ei

単行本情報

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