■7位 本物しか愛せない男が撮る究極の動画とは!?
『DEAD Tube ~デッドチューブ~』 山口ミコト(作) 北河トウタ(画)
『DEAD Tube ~デッドチューブ~』 第1巻
山口ミコト(作) 北河トウタ(画) 秋田書店
映画研究部に所属する町谷智浩は学園トップクラスの美少女・真城舞に依頼されて、2日間完全密着で彼女の日常を撮影することに。登下校はもちろん、着替えやトイレから彼女のデート場面、さらに殺人の様子まで。この一件を境に、彼は視聴数さえ稼げれば法も倫理も無視してOKな『デッドチューブ』の世界に足を踏み入れることに。
舞専属のカメラマンとなった町谷のカメラには次々と残虐な殺人シーンが映される。と書くと、ただ過激で俗悪的なシーンばかりに思われるかもしれないが、本作はエピソードごとに思いもよらない展開が待ち受けており、ストーリーも楽しい。ふだんは女子にいい寄られても薄い反応なのに、スナッフシーンを撮っている時だけ股間がカッチカチになるという町谷くんの変態フェティストっぷりが素敵。
■8位 ゾンビになっただけだったら、まだよかったのに……
『異骸 -THE PLAY DEAD/ALIVE-』 佐伊村司
『異骸 -THE PLAY DEAD/ALIVE-』 第1巻
佐伊村司 徳間書店
ある日、学校で突然ゾンビが発生! 主人公のアキラくんが好きだった幼なじみのくるみも噛まれてゾンビに! ここまでだったらよくある(?)展開なんですが、本作品のすごいところは、このゾンビたちですね、少し時間が経つと正気になってもとの人間に戻るんですよ……。
そしてまた時間が経過すると再びゾンビに。ゾンビとなって人を襲い、正気に戻れば自分が人を食ったという現実を突きつけられる地獄のループ。さらにゾンビを駆除しようとする人間側に対してもしっかり頭を使って対抗してくるから、ますますたちが悪い。そんななかで自らがゾンビと化したあとでも、人間とゾンビの殺しあいを止めようとするラグビー部主将の五十嵐さん、マジ男前。
前作『東京アンデッド』を始め、これまでに多くのゾンビを描いていた著者だけに大量のゾンビによる襲撃シーンは圧巻の一言! こんな地獄のような状況下でアキラはくるみに対する種族を超えた(?)思いを貫けるのだろうか?
■9位 リア充になれない奴から爆発!
『ラブデスター』 榊健滋
『ラブデスター』 第1巻
榊健滋 集英社
「真実の愛」を探求するという謎の存在・1.st(ファウスト)によって、月面に集められた月代中学校の生徒たち。彼らがこのたび参加することになった実験が、本作のタイトルにもなっている「愛試死(ラブデスター)実験」だ。ルールは簡単。最も愛する者に告白してOKをもらえれば、それでお家に帰れます。ただし相思相愛じゃなかった場合、告白した人物は即爆死! 試験終了の1カ月後にひとり身だった場合も爆死!
恋愛嫌いの主人公・若殿(わかとの)ミクニは、なんとか試験の裏をついての生還を目指そうとするが、じつは幼なじみの愛月(あいづき)しのから思いを寄せられており、さらにミクニの親友の皇城(すめらぎ)ジウは、そんなしのに告白しようと考えているという、本人も気づかぬうちに三角関係の状態に……。恋と友情、さらに妬みや裏切りなど、思春期男女の様々な思惑が絡みあう爆殺空間からミクニは生還することができるのか!?
■10位 甘く優しい糖衣に包まれた狂気の日々
『ハッピーシュガーライフ』 鍵空とみやき
『ハッピーシュガーライフ』 第1巻
鍵空とみやき スクウェア・エニックス
これまでに多くの男子をとっかえひっかえする生活を送ってきた高校一年生の松坂さとう。しかし、じつは彼女は愛というものをわかっていなかった。だがそんな彼女を変えたのが、神戸しおというひとりの少女だった。無垢で純粋なしおちゃんとの出会いをきっかけに愛を理解したさとう。
そして2人っきりで育まれる甘く優しい生活に、あなたの心が癒されることは間違いなし!
胸キュン必至の作品です!
ところで、しおちゃんのお母さんはどこに行ったんですかね……あとその血がにじんでいるゴミ袋のなかにはいったい何が……? そんな感じで色々と病んでいるさとうさんを始め、バイト先の店長、同僚、担任教師と歪んだ愛情を抱えこんだ人々が次々登場する、愛と狂気の物語です。
<文/構成・犬紳士>
養蜂家。好きな野鳥はメジロ。