第4位(96ポイント)
『不滅のあなたへ』 大今良時
『不滅のあなたへ』
大今良時 講談社
様々な生物に姿を変えられる謎の存在「フシ」が世界中を旅して様々な人々との出会い、そして別れていく姿を描くファンタジー。
今回フシが出会ったのは、事故で崩れた顔を仮面で隠し、自らを怪物と呼ぶ少年・グーグー。人の世のことをあまり知らないフシに対して、兄貴風を吹かすグーグーだが、はたして彼との出会いはフシにどのような影響を与えていくのか?
そして屈託のないフシとの生活は、コンプレックスだらけのグーグーをどのように変えていくのか?
フシを狙う謎の敵の存在についても語られ、世界の秘密も明かされ始める注目の3巻です。
オススメボイス!
■どんどん世界観が広がってきましたが、本巻で登場する「グーグー」のキャラが、じつによい。悲劇を予感してもしまいますが、忘れられない一冊です(境真良/国際大学GLOCOM客員研究員・経済産業省国際戦略情報分析官(情報産業))
■ようやく作品の全貌が見えてきたような、まだほんの一部のような。そう思わせるだけの広さと深まり(辻真先/アニメ脚本家・ミステリ作家)
■この物語の重要キャラである「フシ」は主人公というより話をまわすための装置に思っていたのだけど、今回の巻では彼自身も成長し、彼をとおしてまわりも成長していく姿が描かれていてよかった。まだ今回のキャラたちの話が続くようなので次巻が気になる(マキタマキナ/ (成年)漫画愛好家)
■3巻で加速度的におもしろくなった。人と人の間にいることで、「人」に近づいてくのが伝わってくる。貪るように読んでしまうくらい、圧倒的なおもしろさがあった(ふな/ブログ「いつかたどり着く」管理人)
第5位(78ポイント)
『青野くんに触りたいから死にたい』 椎名うみ
『青野くんに触りたいから死にたい』
椎名うみ 講談社
生まれて初めて彼氏ができて幸せの絶頂だった苅谷優里。しかし、付きあって2週間目に彼氏の青野くんは交通事故で亡くなってしまう。あまりのショックにカッターを手に、彼のあとを追おうとする優里だが、そこで彼女を止めたのは幽霊となって現れた青野くんだった!
生きている優里ちゃんと幽霊の青野くん。会話もできるし、いっしょに映画も見れるし、歌の練習だって付きあってくれる。でも決して触れあうことだけはできない。そんな2人がすごす恋人同士の時間は、ときにおかしく、ときに切なく、そしてときには恐ろしく……。
死んでも離れることのないカップルの純粋で切実な恋心を描く、異色のラブストーリーです。
オススメボイス!
■はてしない狂気とシュールな笑い。本谷有希子の小説みたい。いろんな意味で「おかしい」し「ヤバい」。「病んでる」なんて言葉では甘っちょろいラブコメ(ではないのかもしれない)の続きが気になって仕方ない(竹村真志/三省堂書店神保町本店・コミック担当)
■一途でちょっと思いこみの強い女子高生優里と、付きあい始めたばかりで交通事故で死んでしまった青野くんの幽霊のラブストーリー。初々しくて少し切ない青春ものかと思いきや、狂気と心の闇とホラー要素が交錯して話の展開から目が離せない。異才としかいいようがない(ぶち猫おかわり/ブログ「ぶち猫おかわり」管理人)
第6位(70ポイント)
『CANDY & CIGARETTES』 井上智徳
『CANDY & CIGARETTES』
井上智徳 講談社
65歳になり、晴れて定年退職を迎えたSPの平賀雷蔵。しかし、難病に苦しむ孫のために彼はまだまだ働く必要があった。そんななか、彼は月給100万円、かわりに秘密厳守といういかにも怪しい仕事を見つけてしまう。そして迎えた初出勤。そこで彼が見たのは銃を持った女子小学生と、殺された麻薬の売人の死体! かくして守る側から殺す側に移った雷蔵の第2の人生が始まる!
『COPPELION』の井上智徳が新たに手掛けるのは65歳の爺さんと女子小学生という超年齢差コンビによる、不道徳クライムアクション! 日本が舞台なのに銃撃戦あり、カーチェイスありと、次々にテンポよく炸裂していくアクションシーンも爽快だが、何より悪人相手に容赦なく銃弾をぶっ放す涼風美晴(11歳)が最高にキュート!
オススメボイス!
■アンバランスに見えて、絶妙なコンビネーションを見せてくれるのがよいのだ(ふな/ブログ「いつかたどり着く」管理人)