第7位(60ポイント)
『官能先生』 吉田基已
『官能先生』
吉田基已 講談社
出版社で編集者をするかたわら、売れない作家として文芸小説を執筆していた鳴海六朗。
自由気ままな独身生活を満喫していた彼だが、祭りの夜にひとりの若い美女と出会い一目ぼれしてしまう。四十にして突然恋に落ちた己に動揺する彼だが、そんななか、ある出版社から「ポルノ小説を書かないか」という誘いを受けてしまい……。
『恋風』『夏の前日』の吉田基已の新作は、昭和のなか頃を舞台にした大人のラブストーリー。
謎多き美女・雪乃に魅せられ、口では「僕は清い恋がしたいよ…」といいつつも、ついつい彼女への淫猥な妄想を原稿用紙にぶつけてしまう六朗の姿はまさに官能先生。
その濃密な思いは果たして雪乃に届くのか。はたして2人の恋のゆく末は?
オススメボイス!
■『恋風』『夏の前日』などで艶かしい作風で知られている吉田基已先生の最新作、『官能先生』。エロスあふれる線によって描かれた、生々しい欲望と清々しい純愛が同居しているこの作品をぜひご堪能あれ(林子傑/海外翻訳者)
■吉田基已先生の描くヒロインはいつもなんてかわいらしいのだ! 主人公の変態っぷりも最高です(芝原克也/日販ほんのひきだし編集部)
■『夏の前日』や『恋風』の吉田基已先生の新作。今作もなんてせつなく、モヤモヤしてしまうんだろうか……。ふぅ(福丸泰幸/喜久屋書店漫画館京都店 店長)
■『夏の前日』の吉田基已の最新作。官能的で濃厚でもどかしいこの世界観は吉田基已にしか描けないと思う(ぶち猫おかわり/ブログ「ぶち猫おかわり」管理人)
第8位(56ポイント)
『白暮のクロニクル』 ゆうきまさみ
『白暮のクロニクル』
ゆうきまさみ 小学館
不老不死の種族――「オキナガ」が存在する世界を舞台に、オキナガである88歳の老人(見た目は少年)の雪村魁と、厚生労働省の新米公務員・伏木あかりが、オキナガにまつわる様々な事件を解決していく、すこし不思議なミステリーがついに完結!
12年ごとに犯行を繰り返す猟奇殺人犯「羊殺し」を、大捕り物の末、ついに捕まえた雪村とあかり。これで解決かと思いきや、事件にはまだいくつかの謎が隠されていて……。
不老不死という設定ならではの時代を超えたストーリーに、作者が得意とするリアリティのある社会や生活の描写が組み合わさることによって、独自のミステリー世界を開拓してきた『白暮のクロニクル』。その最終巻ではこれまでに張られた伏線がいくつもあわさって、作品を締めくくるにふさわしい事件の真相が鮮やかに解き明かされていく。
ミステリーとしても当然一級品だが、不死者である雪村と普通の人間であるあかりとの関係性をしっかりと描いたラストシーンも最高でした!
オススメボイス!
■さすがはゆうきまさみ先生、読者にあっといわせる仕掛けを用意していました。大満足の最終巻です(早川博志/恭文堂コミッククラフト店 書店員)
■最終巻。犯人逮捕後のエピローグ的な1冊だが、まだはまっていないパズルのピースを丁寧にひとつずつ埋めていく手際と心地のよさに脱帽(加山竜司/フリーライター)
■ついに完結。前巻で決着したかに見えた羊殺しの真の真相が語られる。すべてが解決したあとに綴られる、2人の関係がせつなくて胸が苦しくなった(ぶち猫おかわり/ブログ「ぶち猫おかわり」管理人)
第9位(44ポイント)
『ど根性ガエルの娘』 大月悠祐子
『ど根性ガエルの娘』
大月悠祐子 白泉社
アニメ化や実写化もされた名作『ド根性ガエル』で一世を風靡した漫画家・吉沢やすみ。
その実娘が父親との思い出や当時の出来事を描いた、「感動の一家再生物語」…………という触れこみで始まったはずなのだが、この巻で本作品がそんなベタな話に収まらないことが明かされていく。
これまでも父・やすみ氏のDVや失踪など壮絶なエピソードが描かれていた本作だが、この巻ではそれらのエピソードですら、オブラートに包んで読みやすくなるよう脚色されたことが判明。
さらに打ち合わせでの編集者とのすれ違いや、連載中にやすみ氏が病気で倒れたことなど、過去を回想するばかりではなく、現在進行中の出来事までもさらけ出される。
出版社を移籍してからの初の続巻は、読者や編集者の思惑を大きく超える衝撃必至の1冊だ。
オススメボイス!
■まさに「これからがほんとうの地獄だ…!」とでもいうべき衝撃の第15話を遂に掲載。1巻から読み返すコト必至の大どんでん返し! あらためて深みを持つ、そのタイトルに隠された真意と、現在進行形の物語が辿りつく場所は……!?(竹村真志/三省堂書店神保町本店・コミック担当)
■話題の15話を収録した3巻。もう、そのあとのどの話を読んでも(前の話を読み返しても)ゾクっとする(山本浩平/まんだらけうめだ店コミックスタッフ)
■ノンフィクションをマンガ化するときの典型的な美談展開を自ら壊し、作家が本当に描きたかった物語を劇的な展開で見せつけた一種の問題作にして、良作! フィクションなのは、登場する美しい編集さんたちのみ(笑)(稀見理都/エロマンガ研究家)
■SNSでバズりまくった第15話収録。内容的にもさることながら、この一編を読んで以降、第1話から再読する際に初見時とは違った印象を読者に抱かせる構成力がすごい(加山竜司/フリーライター)
第9位(44ポイント)
『ハイポジ』 きらたかし
『ハイポジ』
きらたかし 双葉社
会社からリストラされ、さらに妻に離婚を切り出された天野光彦、46歳。
ただでさえ人生のどん底なのに、数十年ぶりに行った風俗では火事に巻きこまれ、煙に巻かれ意識を失ってしまう――そして光彦が目を覚ますとそこは高校の教室で、鏡を覗けば映っているのは高校生の頃の自分だった!
『赤灯えれじい』『ケッチン』と冴えない若者の青春劇に定評のあるきらたかしの新作は、80年代を舞台にした青春グラフィティ。時は1986年、カセットテープや不良がたむろするゲーセンといった懐かしい文化が散りばめられた世界。まわりにいるのは当時想いを寄せていた小沢さつき、そして高校時代には話したこともなかった妻の幸子。中年男性の精神のまま高校生に戻った男は、後悔だらけの青春を覆せるのか!?
オススメボイス!
■きらたかしさんの描く昭和の空気感が違和感なさすぎて、読んでて昭和にタイムスリップしたように感じる(太田和成/TSUTAYA BOOK STORE 五反田店 コミック担当)
■40代半ばの香ばしいハゲオヤジが高校時代にタイムスリップするやりなおしモノ。バブル前夜とツッパリが織りなすどんよりとした風情。80年代当時の空気感が完璧に再現。アラフォー以上の男子は必読でしょう(奈良崎コロスケ/博奕・マンガ・映画の3本立てライター)
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