時は流れ、高校2年生となったカズミは、ほとんど友達をつくらず、感情を抑えて毎日を過ごしていた。そんなカズミに恋心を抱いている四谷四乃(よつや・しの)。猛アタックを続けるシノの健気さに折れたカズミは一度だけデートを了承。しかし、待ち合わせ場所で見たものは、忘れもしない三堂の笑顔だった――。この瞬間、カズミにとって考えうる最悪な日常が加速していく。
さて、この物語はひとつのミステリーが背骨になっている。それは三堂がなぜカズミを好きになり、執着しているのか。これについて第1巻の段階ではあまり多くの情報が提示されてはいない。ずいぶん昔から三堂はカズミのことを知っていたという程度だ。
そして不可思議なのは三堂の行動原理。「カズミへの愛ゆえ」というわりには、ふるまいが非常に回りくどい。カズミに気に入られるよう努力するのではなく、カズミが自分を選ばざるをえないよう努力するのだ。
自分のポジションが2位ならば、首位を排除することで自動昇格することを信じてやまない。そこに純粋さが漂うため、血濡れのカッターナイフをかざす三堂が、うっかり可愛く見えてくる。うーむ、恐ろしい。
贖罪の6年間を過ごしてきたカズミは、同じ過ちを繰り返すまいと激しく憤る。それをあざ笑うかのように一手も二手も先に行く三堂。今のところ彼女から人間らしさが垣間見えるような綻びは皆無だ。はたしてこの完全無欠の異常者を攻略する術はあるのか? すでに第2巻が待ちきれないし、マンガボックスの更新も待ちきれない!
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<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。