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【『このマンガがすごい!2018』オンナ編 第1位!】『マロニエ王国の七人の騎士』(岩本ナオ)【ロングレビュー!】『金の国 水の国』イケメン7人兄弟♡ あなたはだれ推し?? 岩本ナオ、待望の新作は恋と謎に満ちた中世ファンタジー!!

2017/12/18


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楽しみが少ない「姫」が、「寒がりや」の肩車に喜ぶ。一方で、「寒がりや」はあることに気づく。自然描写の美しさにもため息が出そう!


一方で、騎士たちの周辺の国への派遣が本格的になっている。長男の「眠くない」は、幼なじみの男勝りな黒髪の剣士・エレオノーラとともに「夜の長い国」へ行くことになる。「眠くない」がエリーと呼ぶ彼女は城代の娘で、彼女もまた「お姫様」といえる。2人は政略結婚のような形のカップルだ。

「夜の長い国」へ到着した「眠くない」は、悪寒とともに、この国の思惑をかいま見る。婚約者らしい振る舞いをしようとするエリーと、「眠くない」の想いは、どこへ行くのだろうか?

腕力自慢のエレオノーラ(エリー)と、おとなしい「眠くない」。幼なじみをひとりの男として意識してしまう、胸キュン必至の展開!

腕力自慢のエレオノーラ(エリー)と、おとなしい「眠くない」。幼なじみをひとりの男として意識してしまう、胸キュン必至の展開!


おおむね、やわらかいファンタジーと、妙に現代的なセリフによる笑い、温かいラブに満ちているのだが、ところどころに不穏な描写が伏線として張られている。うたた寝をした「眠くない」が見た幼い頃の記憶らしき光景、「武力の国」の歴代最高軍師とうたわれながら国外追放された母バリバラの過去。この外交の真の意味とは?
なにより、すべてにおいて兄弟のことが最優先になってしまう7人に、「大義」を果たせるのだろうか?
入り口は絵本のようにかわいらしく、マイ推しメンを探したくなるキャッチーさに誘われて読み進むと、壮大でミステリアスな物語が展開していく。先が気になると同時に、読み返すたびに気になるシーンが見つかる。1巻目から「長く付き合いたい」気持ちになってしまう、魅力いっぱいの王国絵巻を、宝物を集めるようにじっくりと楽しんでいただきたい。



<文・和智永妙>
「このマンガがすごい!」本誌やほかWeb記事などを手がけるライター、たまに編集。とある学生街に在住し、いろいろと画策(だけ)しつつ、男児育てに追われる日々です。


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