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『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』 (友井羊(作) 見崎夕(画)) ロングレビュー! イケメンシェフと亡き妻との特別な”スープ”に涙…… 友井羊書きおろしエピソードもあり!

2018/02/18


今回紹介するのは『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』 第2巻

『このマンガがすごい! comics スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』 第2巻
見崎夕(画) 友井羊(作) 宝島社 ¥640+税
(2018年2月16日発売)


本作は、レストラン「スープ屋しずく」のシェフ・麻野が、お客さんの悩みを鮮やかに解決する、という日常の謎系ミステリーシリーズのコミカライズ作品。作中に登場するスープはどれもおいしそうで、グルメミステリーとしても楽しめる。
昨年11月に発売された第1巻に続いて、今回の第2巻では「スープ屋しずく」の店名の由来となった麻野の亡くなった妻・静句(しずく)が登場する。

最初にこのコミカライズの特殊な点にふれておきたい。
コミックス第1巻では、原作小説の第1作「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」から4つの短編小説がマンガ化された。「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」の収録作は5編なので、コミックスの第2巻では、第1作の1編と第2作「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 今日を迎えるためのポタージュ」から数編をマンガ化するのが順当だろう。
だが、本作は、第1作の最終話「わたしを見過ごさないで」だけからなっている。
登場人物たちの過去が明らかになる、本エピソードの重要性を考え、コミックスの1巻をまるまる費やすことにしたということだ。

物語は、静句と麻野との出会いを描いた過去と、現在とが並行して描かれる。
フリーペーパー「イルミナ」の編集者・奥谷理恵は、ある出来事をきっかけに「スープ屋しずく」の常連となったのだが、彼女は、麻野の娘・露が「お母さん」と呼びかけて、三十代なかば位の女性に駆けよるのを目撃する。露の母親・静句は亡くなっているので、ひょっとして彼女は麻野の再婚相手なのか? 麻野に好意をよせている理恵の心はざわつく。
その一方で、露は携帯電話でだれかと通話する不審な行動をとる。露は何をしようとしているのかという謎が、まず読者をひきつける。

「お母さん」と呼んだ人物と行動しながら、露は携帯電話で謎めいた会話をする。その相手はいったいだれなのか……。

単行本情報

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