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『ミステリと言う勿れ』 第1巻 (田村由美) ロングレビュー! 「ミステリと言う勿れ」…これいかに。 その答えは、「語り」で謎と人々の深層心理を暴き出す、カレー大好き天パ大学生にあり!?

2018/03/31


ついに整は、警察から一歩も出ないままに、真犯人をつきとめる。

整はいう。「真実は人の数だけあるが、事実はひとつしかない」と。客観的な事実はどの角度からみても変わらないが、虐げた側と虐げられた側とでは、まったく違う記憶となる。人間には感情がある。主観をそぎ落とした事実と向きあうのは、ときにとても難しい。

あまり表情豊かとはいえないが、不思議な魅力のある整。周囲の人間も、気づけば整の話に深く聞き入ってしまう。

整がひょうひょうとしているのがいい。正義感も反骨心も感じられないところがいい(実際のところ、彼なりにいろいろあるのかもしれないけれど)。大げさな言葉で人を断罪したりしないところが、とてもいい。

本作のタイトルは『ミステリと言う勿れ』。こんなに傑作の“ミステリ”なのに、このタイトルである。

エピソード2で、整とともにある事件に巻きこまれる「熊田」(直毛)。整とはまた違った雰囲気の彼は、今後の展開のカギを握っていそうな予感……?

サラリと現れてサラリと謎を解く、整のちょっと天邪鬼な存在感に重なるかもしれない。とても素敵なタイトルだと思う。



<文・片山幸子>
編集者。福岡県生まれ。マンガは、読むのも、記事を書くのも、とっても楽しいです。

単行本情報

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